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DAU/MAUはエンゲージメントを測るのに重要な指標だが欠点もある

Created
2021/2/15 1:11
date
2021/02/15
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DAU/MAUはエンゲージメントを測るのに重要な指標だが欠点もある
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DAU/MAUが人気になった経緯

DAU/MAUはユーザーエンゲージメントの指標としてよく知られているもので、MAUに対するDAUの割合をパーセンテージで表したものです。通常、20%以上なら良いアプリで、50%以上ならワールドクラスと言われています。
 
この指標はどのようにして使われるようになったのでしょうか?
DAU/MAUが普及したのは、Facebookがこのメトリクスを普及させたのが理由です。その結果、彼らがそれを話題にするにつれて、他のコンシューマーアプリも同じKPIで判断されることが多くなってきました。私がDAU/MAUを比率として初めて知ったのはFacebookプラットフォーム時代のことでした。その当時は、Facebookプラットフォーム上のアプリを評価するためにそれが使われていました。
 
このメトリックはFacebookにおいては常に高い数値を示していたので、Facebookにとって常に印象的なものでした。Facebookの歴史上、ずっと50%以上でした。実際、私はある時、ずっとそんなに良い数値が続くものなのかどうかに興味を持ちました。そして、その通りになったのです!
2004年のFacebookのメディアキットから、7万人という小さなユーザーベースであっても、非常に高い数値を示しているのを見つけました。
 
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プロダクトマーケットフィット(PMF)をDAU/MAUで評価する

重要な指標であることは確かですが、実際には少し使用頻度の低いパターンではあるけれど、それでも同じように価値があるといった場合に、「XYZが機能していない」というように誤用されることがよくあります。
 
コンシューマープロダクトやボトムアップのSaaSプロダクトの場合、この指標は非常に役に立ちますが、日常的に使用されるメッセージング/ソーシャルプロダクト以外はほとんど除外されているようです。これらは価値のあるプロダクトではありますが、オンリーワンではありません。
 

日常的には使われなくても価値の高いプロダクト

すべてのものが日常的に使用されなければ価値がないわけではありません。スペクトルの反対側を見てみると、使用はイベントに応じてではあるけれど、各インタラクションが高い価値を持つプロダクトがあります。こうした場合、DAU/MAUは正しい指標ではありません。
 
  • Uberにおいて最も収益性の高いライドは、空港までのライド、特別な夜の外出のためのBlack Car、出張などです。これらは毎日起こるわけではありません。通勤にUberを利用する人もいますが、それは平均的な利用ケースではありません。そのため、DAU/MAUは50%を超えていませんでした。ドライバー側には、週30時間以上活動している「パワードライバー」のクラスターがありますが、広く公表されているように、Uberの平均的なドライバーは実際にはパートタイマーです。(パレートの法則です!)
  • Linkedinはリクルーターと求職者だけが毎日のように利用しており、使用頻度の低いアプリの興味深い例ですが、このバイラルに成長しているデータベースの上にバーティカルSaaS企業をいくつも構築することができるほどに多くのユニークなデータを提供しています。
  • AirbnbやBookingのような旅行業界のプロダクトは、年に数回しか消費者に利用されません。平均的な消費者は年に2回程度しか旅行に行きません。しかし、この分野には数兆円規模の企業が複数存在します。
  • 実際のところ、SaaSはルールに当てはまらず例外であるように思えます。電子メールやビジネスチャットはほぼ日常的に利用されている一方で、Workday、Google Analytics、Dropbox、Salesforceなどの非常に重要なツールの多くは、せいぜい週に1~2回程度しか利用されていないかもしれません。
  • もちろん、Eコマースの多くもこのようになっています。マットレス、新しいサングラス、時計などを買う頻度はかなり低いです。しかし、このカテゴリーでは10億ドル以上の規模の勝者が複数います。
 
ここでパターンに気づくかもしれません。低頻度/イベント的なプロダクトであれば、価値があるほどのドルやデータを生み出す必要があります。高頻度なプロダクトであれば、バイラルに成長し、広告を使ってマネタイズするオーディエンスビジネスを構築する可能性が高くなります。
 

自然対育成(Nature versus nurture)

このアイデアをさらに拡張すると次のような主張ができます。DAU/MAUの高いメッセージング/ソーシャルプロダクトは実際には極端なケースであり、実際には、ほとんどのプロダクトカテゴリは図表において良い位置には来ないと。数年前、私はFlurryの興味深い図をシェアしました。この図は、異なるアプリカテゴリとそのリテンション、使用頻度を比較したものです。
 
オリジナル図表
オリジナル図表
日本語に翻訳した図表
日本語に翻訳した図表
 
このチャートでは、いくつかのカテゴリーが飛び出しています。
 
  • ソーシャルゲームは頻度が高い(「私は中毒になりそうです!」)が、一度コンテンツをやり切るとチャーンしてしまう傾向がある
  • 天気も興味深い:頻繁にはチェックしない、おそらく曇りの日だけだろうが、あなたの人生のあいだずっとチェックする必要がある。そのため、90日間リテンションで最大になっている
  • コミュニケーションは、先述したすべての理由のため、高頻度と高リテンションを兼ね備えている。これは素晴らしい!
 
私がこのチャートについてぜひとも見たいと思うのは、別のオーバーレイ、すなわちマネタイズです。そこでは、私は旅行、デーティング、そしてゲームは別の理由で目立つ傾向があるだろうと賭けます。旅行はそれぞれのトランザクションが大きいから、デーティング/ゲームは長時間ユーザーに使ってもらえないので、マネタイズに焦点を当ててその頻度と組み合わせているからです。
 

DAU/MAUを増やしたい?それは難しい

あなたがDAU/MAUを増やしたいとしましょう。
では、何をしますか?面白いことに、多くの人々はEメールやプッシュ通知を役に立つと思って実装するようです。私の経験では、それはカジュアルナンバー(MAU)を増加させる傾向はありますが、DAUを増加させることはないということです。つまり、通知機能にフォーカスしてしまうとDAUよりもMAUの方が高く伸びてしまうので、実際にはDAU/MAUを下げることになります。
 
また、DAU/MAUが10%のプロダクトが必死に努力した結果、40%になったことも見たことがありません。これらのプロダクトカテゴリーの使用は、時間の経過とともにあまり変化しないという自然な流れがあるように思えます。
 

増加、ハードコアユーザーの測定、ネットワーク効果、マネタイズ

あなたのDAU/MAUが非常に高いわけではないのなら、その代わりに私が見たいのは次のようなものです:ハードコアなユーザーベースを見せてください。先週、あなたのユーザーの何%が毎日アクティブでしたか?彼らは何をしていますか?どのようにして彼らのようなユーザーを増やすつもりですか?このグループが存在することを示すためには、長い道のりを歩むことになります。
 
同様に、何かと相関して使用頻度がどれほど増加しているかを示してください。たとえば、ユーザーのネットワークの大きさ(ネットワーク効果を示す)や、彼らが作ったり保存したりしたコンテンツの量などです。そして、その変数を増加させることで、DAU/MAUが時間の経過とともにコホートで上昇するという議論をしてください。
 
そして最後に、DAU/MAUはあなた向けの指標ではないかもしれません。成功するために最前線のアプリである必要はないこともあります。あなたは人々にとって価値のあることをして、十分なお金を稼いで、年に2回使われるような素晴らしいものを作る必要があるだけなのかもしれませんから。これもまた素晴らしいことなのです!
 

DAU/MAUは便利だが限界がある

結論として、あなたのプロダクトが最終的に広告でサポートされることになるほど高頻度、高リテンションのプロダクトである場合、DAU/MAUをガイドとして使うべきです。しかし、あなたがうまくマネタイズすることができ、ネットワーク効果を築くことができ、あるいはきわめてフランクに言ってあなたの自然な流れが高くなる気配がないなら、他の何かを測定することです!自然と戦うことは不可能なのです...あなたのプロダクトがユーザーに価値を提供していることを教えてくれる適切な指標を見つけてください。
 
※この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。