IRLチャネルの可能性
公開日
2021/03/07
著者
Facebook広告やGoogle広告については耳にしてきましたが、本日は「IRLチャンネル」についてお話しましょう。(訳注...IRL:In Real Life)
IRLチャネルは現実世界に存在し、過小評価されているアドバンテージです。Amazon Echo、Envoy、Lime、Uberなどはプロダクトを試して使ってもらうために、常に現実世界でリマインダーをかけています。
バイラル獲得のメリットはかなり明白です。プロダクトを見たこと/試したことがなくても、自分の街(または職場)に群がっているのを見たら、自然と試してみたくなるものです。
さらに重要なのは、いくつかのプロダクトの使用パターンは、自然とバイラルなものになっています。いくつかの例を挙げてみましょう。
- 交通機関はこの例に当てはまり、だからUberのライダー獲得のほとんどがバイラル/口コミなのです。旅行や外出は社会活動です。友人や恋人を同乗させ、費用を分担します。A地点からB地点への移動という、完全に実用向けの場合でも、行き先に人がいることが多いので社交的であると言えます。
- 新しいスクーター/自転車のトレンドは、もう1つの明白な例です。サンフランシスコ中にある明るくペイントされた多くのLimeスクーターは話題を呼び起こします。実際のハードウェアにいくつかの価格帯と説明書をつけておいて、あとは大きな笑顔を浮かべているライダーがいれば、自然と獲得チャネルができます。
- Amazon Echoの場合は、物理的な存在感があることでリテンション/エンゲージメントのメリットを得ることができます。キッチンカウンターの上に置いておけば、自然と使用を促すことができます。最新の「Show」モデルには、あなたを対話に誘うディスプレイが付いています。Amazon Echoは、あなたが話していないのに、間違って話しかけていると認識することがあります。私はいつも思っていたのですが、間違えて起動してしまってもエンゲージメントを高めうるので、Amazonがこれを修正することはないでしょう :)
- EnvoyはB2Bの例です。私は何十社もの企業のシステムにサインインしているので、もしそのカテゴリで購買決定をしなければならないことがあれば、彼らは当然の選択になるでしょう。
コンシューマー向けの新しいハードウェアサービスを作るほど勇気のある起業家はそんなに多くいませんが、もしあなたがそうだと言うなら、これは重要な検討材料にしなければならないと私は思います!
IRLチャネルは、デジタル体験へとあなたを引き込ませるフィジカル体験です。しかし、その逆の場合もかなり奥が深いです。
Boba Guys(訳注:米国で人気のタピオカティー店)やアイスクリーム博物館のようなインスタ映えする小売店の体験によってあなたのソーシャルフィードが以下のような写真で埋め尽くされているとき....


...Yelpでもっとも近い場所を調べずにはいられません!
ここでのもう1つのメガトレンドは、もちろんesportsとファンダム(訳注:熱狂的ファンによって作られる世界:wiki)コミュニティです。ある日はLeague of Legendsをプレイして『スタートレック』の二次創作を読み、翌日にはesportsアリーナに行ってVidCon(訳注:世界中のYouTuberが集結するイベント)をチェックしています。ここには確実に何かがあります。
IRLチャネルは本物です。獲得やリテンションなどに役立ちます。ここ数年の小売業の力となってきた「オンラインからオフライン」だけでなく、IRLプロダクトがそのデジタル面とインタラクトするように思い出させてくれる「オフラインからオンライン」にも乗り出し始めています。
これは非常に魅力的で、今後の展開が楽しみです。
※この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文:The IRL channel: Offline to online, Online to offline by Andrew Chen