cover image

馬鹿げたアイデアのパラドックス:素晴らしいアイデアが、最初は馬鹿げているように聞こえる理由

Date
2021/06/12
 
notion image
 

私が歳をとっただけなのか?

 
新しいプロダクトアイデアに初めて出会うとき、「このアイデアは馬鹿なのか?それとも、私が歳をとっただけなのか?」と自問します。
 
初期段階では、アイデア以外には判断材料がないことが多いです。そのアイデアが馬鹿げていたり、つまらなかったりするように思うときもあります。しかし、年月が経つにつれて、特に初期の段階ではあまり判断しようとしなくなりました。
 
アイデアがかなりランダムに見えるのは、過去数年間で、最大の勝利を収めたものが次のようなものだからです。知らない人の車に乗れるアプリ。知らない人の家に泊まれるアプリ。消えてしまう写真。自分はゲームをプレイできないが、他の人がプレイしているのを見ることができるサイト。本気ですか?
 
数年前に遡ってみると、なぜ世界中の誰もがインターネット上にプロフィールやウェブサイトを持ちたがるのかについて、ずっと議論していたのを覚えています。また、電話は通話のために使うべきで、メールを追加するなんて馬鹿げているだろうとも議論していました。馬鹿だなと思うかもしれませんが、それが当時の考え方だったのです。
 

馬鹿げたアイデアのパラドックス - 公式な定義

馬鹿げたアイデアのパラドックスは、馬鹿げたアイデアに思えるにもかかわらず、それを嬉々としてやる(通常は非常に少数の)人々のグループがあるときに生じます。そして、この手のグループはどんどん数を増やしていくかもしれません。これは持続するのでしょうか?最終的に何百万人もの人々がこれをやるのでしょうか?
 
このような性質を持つプロダクト、つまり直観に反する行動でありながらトラクションのあるプロダクトは、今ある中で最も魅力的なスタートアップであると言えるでしょう。結局のところ、これは新しい市場での可能性を示す指標であり、多くの場合において、こうした市場のTAMは巨大なものになります!
 
これを簡単なグラフィックに置き換えてみましょう。
 
notion image
 

ネイティブと移民では求めるプロダクトが異なる

さらに、前述した馬鹿げたアイデアは「ネイティブ」と「移民」の境目で形成されることが多いです。もしあなたがInstagramネイティブであれば、新しい小売領域やECブランドに関してあなたが思う素晴らしいアイデアというのは、あなたと同じように何千もの写真に触れていない人と比べると全く異なるものになるでしょう。
 
これからの世代は、テクノロジーを別の方法で使っています。彼らはFortniteネイティブです。マインクラフトネイティブです。ストリーミングネイティブです。「インスタ」の使い方も違います。フードデリバリーは基本的人権とみなされるでしょう。期待されることも大きく異なるでしょう。
 
ネットワーク効果ドリブンなプロダクトでは、友人があなたと同じことに夢中になっているかどうかが重要です。もし私の仲間が毎日Fortniteをプレイしていないのなら、若者たちと同じ価値やエンゲージメントを感じることはできないでしょう。これは、毎日プレイしている子供たちのネットワークが完全に活性化しているのとは対照的です。
 
ネイティブのグループにとって魅力的な、ワイルドなアイデアを初めて耳にしたときにそれを頭ごなしに否定するのは簡単なことです。また、同じようなトレンドに乗った、私にとってはより身近なものの方が魅力的に感じるかもしれません。
 

強いテクノロジーと弱いテクノロジー

a16zのパートナーであるクリス・ディクソンは、強いテクノロジーと弱いテクノロジーという考え方について記事を書いていますが、これは新たなテクノロジー時代の始まりにしばしばペアで登場します。弱いテクノロジーの方が実用的に見えることが多いのですが、強いテクノロジーの方が勝つことが多いのです。いくつか例を挙げてみましょう。
 
notion image
 
弱いテクノロジーは、よりもっともらしい、「移民」バージョンのアイデアであることが多いです。強いテクノロジーは、ネイティブの人々にはより良いものに思えるでしょう。
 
コンシューマー企業に投資する者として、私が理解できないアイデアを基盤として驚くほど強力な成長指標を見たときにはいつも驚かされます。こういうときはいつも、少なくとも自分が理解し始めたと感じるまではもっと深く掘り下げなければならないというシグナルなのです。しかし、それが難しいのです。
 
そこで、私はあの質問を繰り返すのです。今度馬鹿げていると思えるアイデアを耳にしたら、自分自身に問いかけてみるのです。「このアイデアは馬鹿なのか?それとも、私が歳をとっただけなのか?」と。
 
※この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。