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toCスタートアップがPMFするタイミング

Date
2021/03/28
この記事は私が最近書いた2011年のブログロードマップの一部で、ゼロからプロダクトマーケットフィット(PMF)するまでの概要を作成したものです。この終着点に到達することは、理論的には明らかに良い目標ですが、問題はこの目標を達成することは何を意味するのかということです。
 

オリジナルの定義

このトピックに関するマーク・アンドリーセンのオリジナルの投稿で、彼は次のように書いています。
 
 
プロダクトマーケットフィットは、その市場を満足させることができるプロダクトを持って、良い市場にいることを意味する。 プロダクトマーケットフィットが起きていないときはいつでもわかる。 顧客がプロダクトの価値を十分に理解していない、口コミが広がらない、使用率がそれほど急速には伸びていない、プレスのレビューがなんとなく不評、販売サイクルに時間がかかりすぎている、取引の多くが完了しない。 そして、プロダクトマーケットフィットが起きているときはいつでもわかる。 あなたがプロダクトを作るのと同じくらいの速さで顧客がプロダクトを購入している、あるいはサーバーを増やすのと同じくらいの速さで使用量が増えている。顧客からの収入が会社の預金口座に積み上がっている。営業やカスタマーサポートのスタッフをできる限り早く雇用している。あなたのアツい新しいプロダクトの話を聞きつけ、それについて話したいからと記者が電話をかけてくる。ハーバードビジネススクールから「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し始める。投資銀行家があなたの家に張り込みする。Buck'sで1年間無料で食事ができるようになる。
 
彼のパートナーであるベン・ホロウィッツは、このイベントが「ビッグバン」のようなイベントではないという事実について、他にも多くの見解を述べています。 - その代わりに、あなたのプロダクトが市場で機能し始めると、グレーな部分がたくさん出てくる(訳注:グラデーションがあるといった意味合い)とのことです。みなさんも彼の投稿を読むことをおすすめします。
 
つまり手短に言うなら、簡単なテストはないということです。
 
その警告をふまえた上で、私はいくつかの考えを追加するためにも消費者向けインターネットのレンズを通してこれを見てみようと思います。
 

マーケットとは結局何なのか?そして、それが本物であることをどうやって検証するのか?

消費者向けインターネットの市場をそもそもどのように定義するのでしょうか? 最終的に、私は「マーケット」の最も有用な定義は、100%消費者中心のものであると結論付けました。私は消費者向けインターネットにフォーカスして、簡単に次のように定義してみました。
 
マーケットとは、すでに頭の中にあるユースケースを想定してプロダクトを検索したり、比較したりできるあらゆる消費者で構成される。
 
この定義は、マーケットにおけるプロダクトに対する既存の需要という概念にかなりフォーカスしており、また混乱を避けるために範囲を狭くしています。
 
既存の需要をもっとも具体的にテストするには、Googleキーワードツールを使用して、特定のキーワードをどれだけの人がGoogle検索しているかを知ることです。
 
 
これを試すには、以下の手順を実行します。
 
  1. 人々はあなたのサイトに到達するためにどんなキーワードを検索するか?
  1. Googleキーワードツールにそれらのキーワードを入れる
  1. このキーワードを検索している人はどれくらいいるか?
 
もし3番の答えが大きい(数百万人以上)ならば、大きなマーケットがあることになります。このテストは非常に具体的であると同時に、非常に繊細でもあります。手慣れた起業家や投資家が抽象的にグルーピングしたとしても、"vacation package" のような用語はこのテストで高得点を獲得する一方で、"travel experience" はそうならないようになっています。
 
同様に、「ミュージシャンのためのソーシャルネットワーク」を作っている人は、市場規模を測る一部として、米国内の音楽家の数をリストアップしがちですが、このテストをしてみると、特段それを探している人はそんなにいないことがすぐにわかるでしょう。
 
また興味深いことに、「フォトショップマーケット」なんてあるわけがないと思うでしょうが、簡単に検索してみると、実際には毎月ほぼ4,000万回も"photoshop"と検索されていることがわかります。そして、そのキーワードに相対的にポジショニングするのは素晴らしい戦略かもしれません。
 
あなたが既存の市場の一部であることを検証することにはあらゆる種類のメリットがあります。これはのちの記事で説明します。しかし今のところ最も重要なメリットは、潜在的な顧客数が大きいことを知っているということです。
 
一般的に消費者向けインターネットでは、全く異なる製品間で類似した機能セットがあまりにも多いため、市場をどのように定義すればよいのかでさえ常に混乱します。例えば、初期の頃は「ソーシャル」がサイトの一種であるかのように語られていましたが、今ではウェブに登場するあらゆる新製品の一側面にすぎないと思われています。同様に、「Facebookアプリ」についても、市場の1つであるかのように語られることがありますが、これも最終的には新しいオンラインサービスの一側面になるのでしょう :)
 

優れた市場とは何か?

市場を魅力的にする他の属性とは何でしょうか?コンシューマーインターネットの場合、優れた市場は一般的に次のように定義されています。
 
  • 多くの潜在ユーザー
  • 潜在ユーザー数の高成長
  • ユーザー獲得のしやすさ
 
競争はこのなかにはありません。私の考えでは、消費者インターネットには多くの場合、潜在的なユーザーが文字通り数十億人いるので、あなたは実際のところ埋もれてしまうことと競争しているのです。そのため、数え切れないほどの競争があったとしても、ユーザーを獲得してあなたのプロダクトに運んでくるのが簡単だとしたら、それは素晴らしいことなのです!十分に良いプロダクトを作って、準備万端です。
 
マネタイズはこのなかにはありません。私の考えでは、お金を稼ぐことは非常に単純です。いくつか広告を打って、0.1ドルから1ドルのCPMになります。もしくは、サブスクリプション料金を請求して1%を有料顧客に転換させるか、またはバーチャルグッズの販売を行うこともできます。これらのマネタイズモデルの中で最大のリスクは、何百万人ものユーザーを獲得できるかどうかということにつきます。
 

優れた市場を選べば、より良いプロダクトにつながる

大きな市場でリードすることで、よりシンプルでクリーンな方法でプロダクトデザインを実行することができます。なぜなら、一度大きな市場を選んでしまえば、その市場で競争するために重要となるユーザーを中心としたいくつかの属性を見抜くために時間をかけることができるからです。これは、プロダクトデザインに強い意図を持たせることにつながり、クリーンでまとまりのあるUXを実現します。黒一色のT型フォードの市場では、色違いの同じ車を販売することができ、うまくいくことでしょう。正しい属性を選ぶことは、それ自身がトピックなのです!
 
ここで重要なのは、プロダクトを差別化する重要な部分をいくつか選ぶことができれば、その後のプロダクトに関する意思決定の残り部分はデフォルトで良いということです。このときあなたは、より少なく、より良くしようとしているので、製品のデザインはよりまとまりのあるものになります。
 
あなたのプロダクトを実行したら、それが「十分に良い」ものであるか、プロダクトがマーケットにフィットしているかを検証するための様々な方法があります。
 
  • ユーザーテストの際に、人々はあなたのプロダクトを「正しい」競合プロダクト群にグループ分けしていますか?
  • ユーザーは、あなたのプロダクトと競合のプロダクトの違いを理解していますか?
  • 市場全体のユーザーのうち一部のセグメントは、あなたのプロダクトに切り替えるでしょうか?
  • 市場で複数のプロダクトを「拒否」したユーザーの中に、あなたのプロダクトを試してみたいと思っている人がいるでしょうか?
  • あなたの基礎となるメトリクス(DAU/MAU、1週間のリテンションなど)は、どのように競合他社と比較していますか?
 
上記のすべては、プロダクトマーケットフィットに対するシグナルです。上記のテストは、基本的にカテゴリ内の既存の競合プロダクトにアンカリングされているという点で興味深いものです。新しい市場ならば、他のものと自分自身を比較するなどという贅沢はできません。
 
今後の記事では、これらの各ケースにおいて良い数字とはどのようなものかという私のリサーチに基づいてもっと具体的なメトリクスを提示してみようと思いますが、今回に関して重要なアイデアは、すでに存在している大規模な市場では、少なくとも 「私のプロダクトは、少なくとも他のものと同じくらいには良いものです」とは言えるほどにあなたはデータを持っているということです。
 

新しい市場は優れたプロダクトデザインにとって危険である

実際、新しい市場について最も恐ろしいと私が感じていることの1つは、新しい市場に合わせた優れたプロダクトデザインをすることが非常に難しいということです。あまりに縛りがないので、機能を追加して、何が通用するかを確認し、イテレーションする以上のことが非常に難しいのです。まとまりのあるプロダクト体験を維持することが非常に難しく、機能を削除することが通常、機能を追加するよりも難しいということを除けば、これは楽しいことです。
 
そのため、最終的には、プロダクトデザインの負債が大量に発生し、決してそれが報われることはありません。(Appleはゼロから新しい製品を発明するのではなく、すでに成功している製品カテゴリーをシンプルにしてきた歴史があることは、私にとっては驚きではありません)
 

結論

このエッセイの要点をまとめると、消費者向けインターネットにおけるプロダクトマーケットフィットを検証する方法について、いくつかの単純化された定義にたどり着きました。マーケットについては、その定義を「あなたのカテゴリーの商品を検索する方法を知っている人」に限定すれば、既存の需要を評価するかなり具体的なテストをすることができます。そして、市場をリードすることで、より良いプロダクトデザインにつながる中心的な設計意図を開発することができます。これは、プロダクトのメトリクスを競合他社の数字と比較したり、グルーピングや差別化に焦点を当てたユーザーテストを行うことで検証することができます。
 
まだまだ答えられていない疑問を多く残していますが、うまくいけばそれは私の新しいブログのロードマップのスタートになるかもしれません!近日中にもっと多くのことをお伝えしたいと思います。
 
※この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
 
 
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