なぜWeb3が重要なのか
この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
Chris Dixon(@cdixon)
Andreessen Horowitz(a16z)のGPを務め、シードおよびグロースステージの投資家として活躍している。現在はa16zのクリプト・ブロックチェーン投資推進においてリーダーシップを発揮しており、Crypto Startup Schoolなどで講演も行う。
Web1(1990年~2005年)は、分散型でコミュニティが管理するオープンなプロトコルを採用していました。その価値のほとんどは、ネットワークに接続しているユーザーや開発者にもたらされました。
Web2(2005年〜2020年頃)は、企業が運営するサイロ型の中央集権的サービスでした。その価値のほとんどは、Google、Apple、Amazon、Facebookといったひと握りの企業にもたらされていました。
現在、私たちはWeb3(ウェブスリー)時代の始まりを迎えています。Web3は、Web1の分散型でコミュニティが管理するという精神と、Web2の高度で現代的な機能性を組み合わせています。
なぜWeb3が重要なのでしょう?
まず、中央集権型プラットフォームの問題点を見てみましょう。(2018年に以下のブログで詳しく書きました。)
ここで、中央集権型プラットフォームの問題点を見てみましょう。中央集権型のプラットフォームは、始めからわかっているライフサイクルをたどります。初期には、ユーザーや、開発者、企業、メディアなど自社を補完してくれるサードパーティを集めるために全力を尽くします。これは、ネットワーク効果を強化するためです。プラットフォームが普及のS字カーブを描くにつれて、ユーザーやサードパーティに対する支配力は着実に大きくなっていきます。

S字カーブの頂点に到達すると、ネットワーク参加者との関係がポジティブサムからゼロサムに変わります。そこから成長を続けるための最も簡単な方法として、1つはユーザーからデータを取ること。もう1つはサードパーティと競争してオーディエンスと利益を奪いに行くことです。
歴史的な例としては、MicrosoftとNetscape、GoogleとYelp、FacebookとZynga、Twitterとそのサードパーティクライアント、EpicとAppleの争いが例として挙げられるでしょう。
プラットフォーマーによる協力関係から競争関係へのこうした移行は、サードパーティからしたらまるで引っ掛けられたように感じます。時間が経つにつれ、優秀な起業家、開発者、投資家たちは、中央集権的なプラットフォームの上に構築することに対して慎重になってきました。これがイノベーションを阻害しているのです。
それでは、Web3について説明します。Web 3では、所有権とコントロールが分散化されています。ユーザーや開発者は、NFTと非NFT(FT, Fungible Token)の両方のトークンを所有することで、インターネットサービスの一部を所有することができます。
トークンはユーザーに財産権を与えます。つまり、インターネットの一部を所有することができるということです。
NFTは、アート、写真、コード、音楽、テキスト、ゲーム内アイテム、資格、ガバナンス権、アクセスパス、その他人々がイメージできるあらゆる対象を所有する能力をユーザーに与えます。
NFTは、イーサリアムのようなブロックチェーンの上に存在します。イーサリアムは、ユーザーが所有・運営する分散型のグローバルコンピュータです。
ブロックチェーンは、誰もがアクセスできますが、誰も所有していない特別なコンピュータです。
イーサリアムは、システムの基盤となる物理的なコンピュータにインセンティブを与えるために使用される、ETHというファンジブルトークン(FT, 非NFT)によって動いています。ETHはまた、NFTの購入などのトランザクションのためのシステム固有通貨でもあります。
ユーザーがファンジブルトークン(FT)とノンファンジブルトークン(NFT)を獲得する方法はたくさんあります。購入することもできますが、購入せずに獲得する方法もあります。
Uniswapは、初期のユーザーにガバナンストークンを全体の15%配布したことで有名です。このようなコミュニティへの付与は、良い信頼関係を築き、コミュニティの普及を促す方法としてWeb3では一般的になっています。
また、クリエイティブな活動や起業家的な活動によってトークンを獲得することもできます。例えば、人々はNFTを販売することで1日におよそ1億ドル相当のETHを稼いでいます。
トークンは、ネットワークの参加者たちを、ネットワークの成長とトークンの価値上昇という共通の目標に向かって協力させる効果があります。
これにより、1つの企業に価値が蓄積され、最終的には自社のユーザーや提携事業者から価値を奪う構図になるという、中央集権的ネットワークの核心的な問題が解決されます。
Web3以前は、ユーザーや開発者は、Web1の限られた機能か、Web2の企業による中央集権型モデルのどちらかを選択しなければなりませんでした。
Web3は、これまでの時代の優れた側面を組み合わせた新しい方法を提供します。この動きはまだ始まったばかりで、参加するには絶好の機会です。
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