ノーコード時代にプログラミングは勉強すべきか
公開日
2021/03/30
著者
はい、今日はですね。この質問に答えようと思います。
これからの起業家はコードをしっかり書けなくても、ノーコードでデザインと簡単な動きが作れると思うのですが、それでもプログラミングをしっかり勉強すべきでしょうか?
はい、ありがとうございます。
そうですね。何個か論点があるんですけど、した方がいいかなっていうのがまず僕の答えです。
ただその上でいくつか注釈があって、まずノーコード的なものをどう僕が捉えているかとか、今の技術トレンドみたいなところをどう捉えているのかというところでいくと、そうじゃねえだろって言われる可能性もあるんですけど、僕はノーコード時代がプログラミングだと思うんですよね。プログラミング言語って昔はね、アセンブラと言ってコンピュータ、もっと言うと0,1ですよね。0と1の並んでるものとか、コンピュータに近い言語で書かれていたものがどんどん高級言語といって、人間に近い、人間が解釈しやすい、人間の生産性を上げやすいっていう方向に進化してきたんですね。
僕はその次の進化の段階がノーコードなのかなと思っていて。最近いくつか伸びている会社さんの特徴を見ると、ノーコードみたいなものって何か顧客に売るものだとみんな思ってるじゃないですか。逆で、自社の生産性をめちゃくちゃ上げるもの。それによっていろんな仕事を請け負えるみたいなことが今後すごいいろんな領域で起こるんじゃないのかなと思ってます。
なんかイメージでいうと、インターネットといえばマッチングプラットフォームとか、〇〇プラットフォームみたいな。セルフサーブでいろんなサービスをやって後はユーザーさんお願いしますみたいなそういう手離れのいいビジネスモデルから、どんどん丸投げされて、そのうえで自社の生産性をめちゃくちゃ上げるみたいな方向に実はどんどん変わってきてるなあと思っていて。
最近そういうつぶやきもしたんですけど。そういう観点でノーコードは捉えてます。IPaaSとか、ブロックチェーンみたいなものもそういうものなんじゃないかって。AWSとか機械学習ライブラリーとか機械学習のクラウドでのAPIが充実していくっていうのもまさに同じ方向性。
つまり何かの事業をするときの、内製化したときの丸投げ、ちょっと違うな。要は自社のエンジニアの生産性って言うんですかね。そこをどう上げていくかみたいなところにどんどんこういう技術が入っていくんじゃないかなと思います。
それは大きなトレンドの話で、もっとプラクティカルな話で「何でプログラミングをノーコードみたいなツールが発達していってもやるべきか?」みたいなことなんですけど。うちでも結構ノーコードっぽいツールとか、高速道路的なキュッとサッと作って、8割くらいの出来で、あとは運用でカバー、運用って人手の運用でカバーするみたいな便利ツールって結構社内ではいっぱい作ったりして回してるんですよね。特に僕らの場合、自社で金融事業みたいなものをやってるのでそういう効率化が競争優位性になったりしますと。
でも、これはたとえばノーコードでもSaaSでも一緒だと思うんですけど、深いことをやろうとすると途端に何もできなくなるっていうのがこれ系のサービスの特徴かなと思っていて。
結局、世の中にあるノーコードのサービス、たとえばSalesforceとかServiceNowとか、日本だとKintoneかな。あとアプリだとヤプリとか。IPaaS系、ZapierみたいなIPaaSもそうですよね。あと保健領域だとアンコルクとか色々あるんですけど。
ああいうものも結局プログラムめっちゃ書いてるんですよね。プログラムを書く口があって、そこでめちゃくちゃエンジニアがゴリゴリ書いてて、SalesforceプラットフォームのためだけのエンジニアとかServiceNowとかMuleSoftだけのエンジニアとか。結構そういう人は量産、まあ日本だとあんまいないかもしれないですけど、Informaticaのエンジニアとか、そういうプラットフォームに強い、まあゲームでもUnityに強いエンジニアとかいますよね。でもバリバリコード書いてますよね、みたいなのも含めて、そういうふうになっていくんじゃないかなというので、プログラミングわかってないとやっぱり深い仕事ができない。
で、深い仕事ができないとさっきの丸投げの時代の自社の生産性を上げていくみたいなところの、競争優位になるほどのものにはなっていかないので。ノーコードを便利に使って上げる生産性ってたぶん誰でも追いつける生産性なんで競争優位にはならないって感じですよね。コモディティな部分ならいいですけどみたいな。
今後もソフトウェアは常にコアであり続けるので、やっぱりノーコードがどんなに広がろうが、今後プログラミング自体もどんどんより高級言語化、高級モジュール化していくと思うんですけど、機械学習の領域とかブロックチェーンの領域とかもそうなんですけど。やっぱりその中身の原理を知ってる人と、そうじゃない人の差はやっぱりずっとあるだろうなと。そこが競争優位になる時代もまだまだしばらく続くだろうなと思ってます。
※この記事は配信者の許可を得て公開するものです。
福島 良典氏の他のコンテンツも見る:福島 良典の名言