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リスクとシェアの話

Created
2021/2/16 13:46
date
2021/02/17
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リスクとシェアの話
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福島良典
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はい。ではですね、なんとですね。このペンギンチャンネル、スタートアップタイムズだったかな、スタタイっていうメディアでですね、多分気まぐれだと思うんですけど、良いコンテンツを投稿したら文字起こしをしてくれるという嬉しい申し出をいただきまして。なんでね、ちょっとまたモチベーションを上げて、しばらくClubhouseに浮気してたんですけど、またstand.fmに戻ってきましたというご報告です。
 
で、今日は何の話をしようかなと。リスクとシェアの話をしようかなとふと思いました。
 
自分たちの事業でもそうですし、友人とか投資先とかの事業の状況でいろいろ相談っていうほどでもないですけどディスカッションのパートナーになることが僕自身多いので、特にスタートアップの本質はリスクとシェアをどう考えるか、みたいなところに落ち着くなということを最近思いますという話ですね。
 

良い事業とは

 
何のことかって言うと、まあ良いスタートアップっていうか良い事業ってなんぞやみたいなところでいくと、第一段階はやっぱり自分たちが解くべき課題を見つけて、それを深く解いているプロダクトがあること。これはシードフェーズである程度種を作ることですよね。
 
ただ、いきなり完全なプロダクトはできないんで、市場にどんどん侵食していく、ペネトレートしていく、シェアを上げていくのと同時にいろんな顧客フィードバックを得ていくことで、ないしはその資金調達とか人材採用とか含めてリソースを得ていくことでプロダクトを磨いていく。結果、課題をすごく深く解けていてシェアが高まっている、市場シェアが高まっている状態っていうのを良いスタートアップって言うと思うんですよね。
 

リスクとシェアの話

 
で、このリスクとシェアの話っていうのは、事業が成立することを優先するか、事業が大きくなることを優先するかの明確にトレードオフがある話。事業の成立確度を上げるっていう話と、事業のシェアを上げるって話はトレードオフにあるって話ですね。シェアが上がった状態で利益が最適化されている事業は成功してるんで、成立してるんで。成立と高いシェアっていうのは当然両立するんですけど、高いシェアをとりに行くと無駄なことを多くしなきゃいけない、過剰な投資をしなきゃいけない。これを僕はリスクと呼んでいますと。スタートアップが抱えるリスクと呼んでいますと。
 
よくあるLTV/CPAみたいな議論は意味はあるんですよ。意味はあるんですけど、意思決定の役には立たないなと思っていて。LTV/CPAが成立してますと。たとえば10倍でてますと。すごいねと。すごいけど、それは事業が成功しているか示す指標ではないんですよね。たとえば、その状態がかなり確かであると。その状態に至るまでの山の登り方も結構、まあ当然事業をやって時間をかければかけるほど他の競争相手が追いつく時間ができてるってことなので、追いつく可能性が高まっていると。
 
なのでそれが明らかになった後にシェアを高めに行くっていうことは極めて危険な状態なんですよね。つまりLTV/CPAをしっかり検証してから踏もうみたいな感じで超大成功しているベンチャーって多分あんまりないんですよね。何かの、もっと先の段階のシグナル、ユーザーがすごい熱狂しているとか、マーケティングですごいバイラルして、わからないけどバイラルしてどんどんユーザーが集まってるというときにリスクをとって踏もうっていう会社が大きなシェアをとりますよね。
 
直近で言ったらClubhouseとかって、あんなにバイラルさせてユーザーを先にとって大丈夫なのみたいな、すぐやめてくるんじゃないっていうかもしれないですけど、あれはまあリスクとシェアの話でいくとリスクを先にとってるわけですよね。で、シェアを拡大しようと。
 
逆に事業を成立させる確度を上げにいきたい時はめちゃくちゃ検証的にやるんですよね。このチャネルだとこのCPAが出てこのLPAが出たとか。で、それを素早く早く試すっていうのがリーンスタートアップの考え方で、これはこれで大事なんですよ。大事なんだけど、どれくらいの確実度で踏むか、リスクをとるか。まあ時間リスクとか資金リスクをとるって話なんですけど。それによって最終的な市場のシェアがかなり大きくとれるか、それとも小さいニッチのシェアで終わってしまうかっていうのは実は紙一重のタイミングで決まると。
 

メルカリ対フリルに垣間見えるリスクとシェアの話

 
僕がやっぱり何度も思い出すのはメルカリ対フリルのCtoCの競争のなかで、やっぱり先にリスクをとったんですよね、メルカリさん。フリルさんもすごく良いサービスで、多分めちゃくちゃエコノミクスも合ってて。なので事業としてすごい大きい価値で成立して成功している会社です、間違いなく。ただ、同じタイミングで違うような、時間リスクにして多分半年とかもしかしたら1年くらいのその僅かな差のリスクをとったことによって、今メルカリは1兆円企業。もちろんそれだけじゃないですけど、あと打ち手とかも素晴らしかったんで。ただその一点だけに過大評価するのはちょっとアレなんですけど、ただそういうリスクとシェアの考え方を、あれだけダイナミズムを実践した会社は近年なかなかいないなあということで。
 
僕はフリル、堀井さんとかも大好きなんで両方すごい会社だということもゆるぎないんですけど、そのうえでこう、事業を成立させる確度を上げるのか、大きなシェアをとりにいくことを上げるのか、でそのリスクとシェアのバランスが先んじて本当にもしかしたらそれは3ヶ月かもしれない。3ヶ月早くリスクをとった会社が2倍3倍のシェアの差をつけるみたいなことっていうのは、この世の中では往々にしてあると。
 
ゆえに、スタートアップの経営っていうのは難しいんですよね。すべてが、KPIが明らかになってこういう順序でこういうものをやってこれが検証されたから次のステップこれでってやれてマーケットを独占できるならこれに越したことはないですよ。ただやっぱり市場なんで、良い市場は競争相手がいて、独占が、競争しないことが一番良いみたいな言説もありますけどまあ競争してますよね。どの会社も。競争してないってことは、あんまり良いマーケットにアクセスできてないってことなんで。良いマーケットにアクセスして早くシェアをとるっていうことが、同時に大きなリスク、リスクってのは過剰な投資、あとから振り返った時に何でこんなことやっちゃったんだろうみたいなことを許容してリスクをとってシェアをとることが極めて大事だと。
 
これはM&Aでもそうだし、広告宣伝費の投資でもそうだし、人材投資でもそうだし、マーケティング投資でもそうですね。営業の投資でもそうだし。すべてが、何かが明らかになる前に先にリスクをとった会社が大きなシェアをとる。ただ、リスクを早くとりすぎると明らかになってない、Provenじゃないところにリソースを突っ込んじゃうんで大きな損失を被る可能性があるんですよね。これがスタートアップの本質的難しさであり、経営者が見極めるのはたった3ヶ月たった半年早く決めたことによってめちゃくちゃシェアに差が出るみたいなそういう質の良いリスクを探してとるべきなんじゃないかっていうのが、最近話す一般論の中で思うことです。
 
※この記事は配信者の許可を得て公開するものです。