delyのグローバルチャレンジと英語化について

配信者のTwitterリンク:堀江さん大竹さん坪田さん
 
みなさんこんにちは。今回は初めてのポッドキャストとなります。このポッドキャストの名前は、Good to Greatです。delyのバリューからとりました。
 
今回のエピソードでは、クラシルのグローバルへのチャレンジと、delyの英語化のプロジェクトについてお話していきたいと思います。
 

 
堀江裕介氏(以下、堀江):みなさんこんにちは。今日はですね、delyの開発チームのCTOである大竹さんとCXOの坪田さんを呼んで、今後のdelyの、特にクラシルですね、のグローバルへのチャレンジとか、あとは社内のそれに向けた体制作り、英語化へのチャレンジについて聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。
 
大竹雅登氏・坪田朋氏(以下、大竹・坪田):よろしくお願いします。
 

delyのグローバル化構想について

堀江:これあれですよね、社内にもまだキッチリと話せてないので、社内向けと、ちゃんとそれが外部の方にもこのチャレンジが伝わればいいと思うので、ポッドキャストにしてせっかくだから話そうということでやっていきたいんですけども。
 
そもそも、まず僕らが英語化しようみたいな話とかグローバル化しようみたいな話とかが去年ぐらいから始まっていったと思うんですけど、どっちかって言うと、僕らの視座が大きく変わっていったという話をしていきたいなと思うんですけれども。いつぐらいからですかね、結構最近?(笑)
 
大竹:去年の後半ですね。去年の秋・冬はじまりくらい。10月とかから本格的に出てきたと思うんですけど。やっぱりゲームチェンジなことやりたいなと。もっとどでかいことをやるときに、やっぱりじゃあ、バイトダンスがTikTokで爆発的に伸ばしたりとか、Googleが伸ばしたりとか、最近だとClubhouseとかも出てきたますけど、そういうグローバルプロダクトがどんどん出てきてるなかで、じゃあdelyがどうやってそういう企業に対して戦えるレベルの会社になっていくかっていうことを考えたときに、やはりこう、会社自体というか仕事場自体のグローバル化というかグローバルスタンダードにしていく必要があって。採用戦略も日本語を話せる日本人っていうところだけじゃなくて、英語話す人が入ってもしっかり働けるっていうふうにすると裾野が広がって、優秀な人材がどんどん入ってこれる環境を作れるよねってとこから結構動き始めましたよね。
 
堀江:うん、そうだね。1番最初はなんか、ビジョン・ミッション・バリューとかを今どんどんどんどん変えていって浸透させていくなかで、やっぱりこう自分たちがグローバルの優れた企業の仕組みを調べれば調べるほど遅れていることに気づき始めたみたいなフェーズが去年の後半ぐらいかな、にあって。
 
特に最初は人事制度から見ていったりだとか、個人的に彼らの技術的な凄みみたいなものを改めて感じるようになり。直近でもClubhouseとかDispoみたいに、ある日突然、世界中にプロダクトが拡散されてしまうようなレベルのものがアメリカからバシバシ出てくるのを見て、何の差かなというのはずっと感じていて。
 
それがもしかしたら人材の差かもしれないし、日本という島国で1億人をターゲットに作ってること自体が間違ってるんじゃないかみたいな話とか。そもそも企業カルチャーとしてトップダウン型から大きく変えていって、どうやったら優秀な人が裁量を持って大きな成果を発揮できるカルチャーを作れるか、なんとなくコードを書けるだけじゃなくて、Googleでいうところのスマートクリエイティブな人材をいかに世界中から集めるか、みたいな話がされていったという感じ。
 
大竹:そうですね。グローバルにサービスを作るっていうことと、グローバルに人材を採用していくっていうのは結構鶏と卵ですけど、両方やっていかなくちゃいけない話かなと思って。日本国内でしか展開しないサービスを作っていると、そこに興味がある人ってやっぱり日本人が多いわけですよね。だけど、じゃあGoogle、TikTokみたいな、そういうグローバルサービスを作ってる会社にはいろんな国からそれに興味を持って入ってくる優秀な人が出てくるんで。そういう人が出てくるとさらにグローバルなサービスを作りやすくなるみたいな、こう正の循環がどんどん出てくるかなと思うんですよね。
 
だからそれをどこかでぶち破らないと、僕らがそういう規模の会社、そういうクオリティの会社になるっていうのは難しいからそこにチャレンジするべきかなという。
 
堀江:そうだね。やっぱり話の発端としてそういう話もあったけども、僕らのやりたいことのロードマップを引けば引くほどエンジニアの桁数が2桁足りないみたいなことに毎回ぶち当たり、戦略はどれだけ引いても常に僕らの足枷になってしまうのが、まあエンジニアパワーみたいなのが圧倒的にグローバルと比べて足りないってことを痛感してるのが今って感じですね。
 
大竹:そうですね。
 

バイトダンスの衝撃

堀江:どれくらい桁足りないんだろうねと思って調べたら、バイトダンスが2014年に38人くらいだった社員数が今10万人くらいになっていて、7年。delyができたのって実は2014年だから変わんないんだよ。僕ら今正社員で150人くらいの人数だからとんでもない人数の差。
 
去年だけで5.5万人採用してるんですよ。これの角度っていうのが、Facebook・Twitter・Googleの成長角度、創業してからの角度よりも圧倒的に高くて、これはアリババとバイトダンスが異常に高かったですね。
 
ただやっぱり2桁違うのを見ると、本当に日本という島国で中途半端にマネタイズできてしまうから、行く気にもならんみたいな話になり。そこの視座だけでやっていくと、結局は海外のたとえばFacebookは70億人から80億人を対象にサービスを作っているからこそ、超高給なエンジニアとかにお金を払えると。いちエンジニアが出せる生産性ってのが世界中にそのコードが適応されるから、そりゃあ生産性高いし高い給与も払えるわけです。
 
じゃあ一方で日本だけでやってたらそれは1億人のマーケットだから、どんだけ優秀なエンジニアがいても1億人に対する生産性しか出せないみたいな話で。やっぱり必然的に優秀な人を巻き込んでいくには、80億人のマーケットを対象にしないといけないから、グローバル化、文化を変えてこうみたいな話が出てきてるね今。
 
大竹:そうですね。
 

日本はグローバルから10年以上遅れている

堀江:日本のプロダクトっていうのは、僕ら調べれば調べるほどバイトダンスのやばさがこんなこと考えてたんだみたいな発見があるじゃないですか。何年遅れてると思う?実際。
 
大竹:今10年は遅れてるんじゃないですか?
 
堀江:僕も10年か15年くらいもはや遅れてる可能性があるなと思っていて、これはまず真摯に受け止めなきゃいけないねって話ですよね。
 
大竹:そうですね。やっぱりTikTokを出したのがすごいと思ってて、あれってもう人材の優秀さが生み出したサービスなんじゃないかなと僕は思ってるんですけど。彼らバイトダンス自体はもともと、中国のGunosyみたいなToutiaoっていうサービスから生まれてますけど、そこで機械学習の超優秀なエンジニアがめちゃくちゃいて、そのなかでじゃあ、これと動画の波を両方とらえるにはどうすればいいかっていうのを動画サービスをトライして、トライ&エラーのなかで出てきた化け物プロダクトDouyin・TikTokみたいな。それがもう、どんくらいですかね。何十億人とか?
 
堀江:今ね、MAUで10億くらい。
 
大竹:10億いってる。そんくらいのサービスをたしか2016年か2015年くらいに中国版のDouyinができただけなのにそこから4,5年でもうここまできてますと。僕らクラシル作った頃ぐらいですよ。2016年だったら。
 
堀江:恥ずかしいね。
 
大竹:(笑)その差ですよね。
 
堀江:Twitterがもうちょっとで抜かれるんですよ、ユーザー数として。僕はTikTokはまだ過小評価されてる可能性があるなと思ってて。SoftBankから投資された時に2兆くらいだった気がするんだけど、高すぎだろって言われてたけど全然まだまだだと思う。彼らのプロダクト自体じゃなくて組織が生み出す破壊的なあの機械学習のエンジニアパワーみたいなのが、全然どのプロダクトにおいても圧倒的にグローバルのサービスをぶち抜く可能性があるぐらいのポテンシャルを秘めてるんで。まず組織がやばそうっていう感じで。
 
僕らもそれを受け入れちゃダメで抗わないといけないよねって思ってて。このままいくと5年後10年後って日本国産のC向けサービスっておそらく1個もない気がする(笑)
 
大竹:うん。すでに結構もうないですね。
 
堀江:ないよね(笑)あれ、これ違くね?みたいな(笑)
 
坪田:いやーそうなんですよね。
 
堀江:やばいですよ。本当にやばくて、グローバルのサービスの、C向けの怖さって何かというと、営業力とかがほぼほぼ関係ないから、1プロダクト作るとネットワークエフェクトが効いて、ある日突然グローバルに一気に拡散されてしまうみたいな現象が起きるわけじゃないですか。
 
これがじゃあ、対SalesforceのB向けみたいなサービスになると、そこには営業力とかその国の労務とか人事の仕組みにアジャストしなきゃいけないみたいな話があるんですけど、明らかにC向けの方が広がりが速い気がしてるんですよね。これが本当に1週間単位とかに今なってるじゃないですか。なんか一気に戦い方が変わってしまうみたいな。
 
だから、本当になんて言うんでしょうね。組織としてのエンジニアパワーの地力っていうのがその会社のプロダクトの地力になっちゃうから、アイデアだけとかじゃ全然勝てる市場じゃないっていう。で、うちとして今起こしてるアクションが、外国の方の採用っていうのは今のところまだしてなかったけれども...
 

delyの英語化について

坪田:やろうと決めていろいろ試行錯誤して動いた結果、外国籍エンジニア1人目の方とのオファーが成立したので、ちょうど4月に1人目の方が入ってくるのが第一歩目ですね。
 
堀江:第一歩目ですね。で、言語どうすんのっていう話は?
 
大竹:言語は、まあ1,2年かけて英語がメインというか、英語でちゃんと会話してもOKだよっていう環境を作っていくっていうのが目標にしてますよね。
 
堀江:結構さ、他の会社だと2年準備してから英語化しましょうみたいな話あるじゃん。たとえば楽天も、あれだけ大きい規模になってから英語化したから数年準備が必要だったと思っていて、僕ら規模の、まあ5年後10年後から見たらこの2年って、果てしなく重要な戦いなはずで、文化形成に対しても。
 
だからまあ、まだまだ社員150人くらいのうちにやっちゃった方が良いと考えて、とにかく即採用して慣れようみたいな。
 
大竹:そうですね。この2年外国人の方ゼロで準備するんじゃなくて、この2年でちょっとずつ入れてってもう英語で会話するっていう環境をもう作っていくことから始めないと、スピード感的に追いつけないというのがあったんですよね。
 
坪田:タケさんの言う黒船戦略ですね(笑)
 
大竹:黒船が来航して、ちゃんともうやんなきゃいけない状態にした方が、結果大変かもしれないけど早いっていう。
 
坪田:僕自身もやっぱり、突如そういう環境になったから使わざるを得ない環境になったからやろうとなる強制から必死に勉強していくこともあると思うので、準備するってよりかはエイヤでやっちゃうってのはスタートダッシュする1つの方法かなと思うので。今回それをチャレンジして、2年かけて実現していこうってのはやっていきたいですよね。
 
堀江:てことは、新しく来る、募集かける人っていうのは、英語だけでも全然受け入れて、一緒にチームとしてむしろウェルカムだよって感じだよね。
 
大竹:そうですね。
 
堀江:すごいよね。誰が英語話せるかまだ知らないけれども、頑張って話すっていう。
 
大竹:話す!
 
堀江:話すしかないよね。だって2年経ったらさ、バイトダンスのエンジニア1万人増えてたりするんですよ。
 
大竹:ありえますよ(笑)
 
堀江:2年でさ、俺らが3人ずつやっていくみたいな話ってしょうもない。すぐやるしかないんだよね。
 
大竹:そうですね。だってバイトダンス自身だって、中国語だったわけだから。そこからこう、どんどんどんどんUS支社とか20カ国くらいローカルありますよ。
 
堀江:いや〜。ちょっとね、彼らのハングリーさに僕らも抗わないと本当に死ぬと思うから。僕はバイトダンス社をリスペクトしつつ、同じ規模で5年後戦えるように、この料理のサービスに関しては圧倒的に戦えるし、特に世界中のエンジニアと一緒に働いていって、僕らがどれくらいだろうね、5年後500人とか1,000人くらいのエンジニアがいる世界観にしたいし、超優秀層集めてグローバルにサービス展開しないといけない。
 
あれだよね、今は世界中のエンジニアと働くって言ったけど、日本に来る人だけではなくてリモートで働く人も含めてってことだよね。
 
大竹:そうですね。もちろん日本のオフィスに来る人でも全然いいんですけど、欧米にいますとか、アジアにいますとか、どこにいてもいいので、リモートで働ける環境を作るってこともこれからチャレンジしていく。そのためには開発組織をちょっと変えていかなくちゃいけなかったりすると思うんですけど。
 
やっぱり人材をとにかく、何かの環境要因でとれないってことをとにかくなくす。優秀な人が普通にこれるっていう、グローバルスタンダードな環境を作るっていうのがとにかく必要かなと。
 
堀江:なるほどね。そうだね。今出た、グローバルのスタンダードを取り入れるではなくて、僕らが合わせにいくっていうスタイルにしないといけないよね。何ていうんだろう、日本主軸でやっていくと海外から来た人がマイノリティになってしまうみたいな。ではなくて、僕らが遅れている後進国なんだから、むしろ世界中のワンチームにしていって、彼らの基準に合わせていって、一緒に働く文化形成をしていこうっていうのがここから求められてくる。
 
大竹:そうですね。
 
堀江:なるほど...大変そうだね(笑)
 
坪田:世界にチャレンジできる楽しさと、一緒にそれが勉強しながらやれるっていうのは面白いですよね。もし仮に、うちにBytedanceのエンジニアが5人入ってきて一緒に仕事できたら、それらの経験値がインストールできて、知識も行動力もアップデートされそうな感覚あるじゃないですか。そういう取り入れ方をして強くなっていくんですよね。
 
堀江:そうですね。
 
大竹:やっぱりシリコンバレーの会社ってそういう循環があるんですよね。バイトダンスのUS支社にはSnapの元デザイナーとか、Facebookの元リクルートマネージャーとか、普通にその街にいて入ってくるわけですよ。で、切磋琢磨してるなかでSnapではこうしてた、Facebookではこうしてたみたいな話が普通に当たり前のようにバイトダンス社に知見が取り入れられるじゃないですか。
 
これがさらにバイトダンス出身の人がどっかに行くみたいな、ぐるぐる回ってるなかで、じゃあ日本で、日本の経験しかない人たちがどんなに考えてもやっぱり追いつけない部分はあると思うんですよね。エコシステムとして。だからそっちに僕らが入っていかないとそれは勝てないっていうのは絶対ありますよね。
 
堀江:今の話で言うと、僕らが英語化して海外の人材と一緒に働いていくっていうのが直近で起こしているアクションだけれども、一方で海外進出みたいな話ってまた別の議論じゃないですか。その中心地をどこに置くべきかみたいな議論も結構したよね。
 
大竹:そうですね。やっぱアメリカって、アメリカ人の人ももちろんいますけど、シリコンバレーですね、シリコンバレーってアメリカ人も含むグローバルでもっとも優秀な人が集まる場所だと思うんですよ。まあシリコンバレー以外にもそういう街はありますけど。少なくともそういうところがあって。オールスター軍団なわけです。オールスター軍団が集まる場所がシリコンバレーで、じゃあそこに行かないと、日本の東京は強いけどまあ日本じゃないですか。そこに集まるんですかっていうとやっぱり地の利というか、地理的な有利性っていうのは確実にシリコンバレーにはあると思うので、本当に将来的にはシリコンバレーにドカンとど真ん中に拠点設けて、そこでのエコシステムにがっつり入っていくっていうことをしないと戦えないんじゃないかなと思うし、そのためにまず日本でも同じようにそういう環境を作ることを今からやるっていうのは必要。
 

delyの勝算

堀江:まあ数々の日本のスタートアップがチャレンジし、散っているなかで、勝算があるとしたら、僕らのサービスで勝算があるとしたら、僕は誰も儲かってないからチャンスがあると思ってるんですよ。料理サイトって。世界中に大きなプレイヤーがいなくて儲かってない。だから挑戦できるし、逆に言うと日本だけで言ったら、日本だけがそういう料理のマーケットというのを作ってるんですよね。だからまあ、僕らのチャレンジとしては、メルカリとかとは状況が違ってCtoCのマーケットプレイスって世界各国で儲かっているプレイヤーがあるからしのぎを削るスピードがものすごい早かったけれども、僕らが各国でそういう市場を作っていくみたいな新しいアプローチなんでやり易さはあるのかなと。
 
大竹:そうですね。文化的に、日本の食文化ってすごい発展してるんで、その食のサービスが日本で先進的に生まれてるっていうのはあるかもしれないですね。結構チャンス。
 
堀江:ですね。まあ、なので僕らとしてもそういうことを一緒にやりたい人材、そういう夢を一緒に追いかけてくれる人材とか、視座が高いメンバーと働きたいし、日本発でPinterestとかSpotifyが出ないということはおかしいことだと逆に思ってるから。とはいえアプローチとしてちゃんとUSに踏み込んでいこうっていう話と、人材とカルチャーの質っていうのをものすごい上げていかなきゃいけないから、できるところからしっかりやっていこうねっていうのが今のアプローチなので。
 
ちょっとまた次回とか話した時には、外国の方がもう数十人入ってるみたいな感じだといいね。
 
大竹:そうですね。
 
堀江:という感じで、とりあえず今日はグローバルへのチャレンジの考え方とか、まず僕らがやっていきたいって話なんだけれども。あとここ1,2年でちゃんと英語化に対応してくチャレンジをしますよという話をしました。
 
はい、またこんな感じで開発の組織とかに対していろいろと聞かせていただきたいです。はい、では以上です。
 
一同:ありがとうございました。
 
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