トレードオフの意思決定は会社を滅ぼす
トレードオフの意思決定は会社を滅ぼす

トレードオフの意思決定は会社を滅ぼす

配信者のTwitterはこちら:堀江さん柴田さん

堀江 裕介氏(以下、堀江):皆さんこんにちは。dely CEOの堀江です。第3回目のGood to GreatではdelyのバリューであるTrade Onという考え方について説明していきます。

堀江:はい、じゃあ今日はですね。第3回目のGood to Greatのポッドキャストとなりますが、前回、長期思考で考えようねっていう話が結構ツイッターとかでも好評だったので、そもそも長期思考っていうものが会社のバリューにどう紐づいているかみたいな話をちょっとしたいなと思って。

一緒にバリューを作ってきた人事担当の柴田さんを呼んで、いろいろと質問とかどんどんしてもらって、メンバーのみんながこんなこと疑問に思っていますとか、これは長期的にも会社のカルチャーデックとかに載せていきたいと思うので、新しく入ってきた人がこんなこと疑問に思うんじゃないのみたいな話を聞いてもらえればいいかなと思います。

delyのバリューであるTrade Onについて

柴田 快氏(以下、柴田):今回はTrade Onに関してというところで話していきたいと思います。そもそもトレードオンって多分世の中の人全員が知っている言葉じゃないと思うんですけど、トレードオンってどういう意味というか、どういうふうに作った言葉なんですか?

堀江:そうですね。トレードオフっていう言葉の簡単に言うと逆です。トレードオフってどういうことかというと、みなさんわかると思うんですけど「何かを得るために何かを捨てましょう」みたいな、そういった意思決定のことをトレードオフといいます。

端折って話すと、トレードオンっていうのはすごく難しい意思決定が多いんですね。何かを捨てて何かを得るってすごい簡単だけれども、「僕らも得してクライアントさんも得しよう」これはすごく難しいから、みんなすぐトレードオフするような意思決定をしちゃう。ただ、我々の考え方的にはdelyとしての哲学の中にはあらゆるものをトレードオフするのは楽だけれども、トレードオンしないと、前回言った長期での成功というものには繋がらないというのがまず根本的な考え方にあって。それは後半の方とかでより深掘って話していけばいいかなと思っています。

柴田:ありがとうございます。トレードオフを作らないためのトレードオンっていうことだと思うけど、その時にトレードオンして行くときのステイクホルダーみたいなところも、結構僕らもかなり話し合ったというか、どんな人達がいるんだっけみたいな話を結構してたと思うんですけど、ここはどういうふうにそもそもステークホルダーを選んでいって、どういうふうに優先順位を決めていったという感じなんですか?

堀江:そもそもバリューって何のためにあるのって言うと、会社のみんなが社長から指示がなくても意思決定が皆そろっていることが重要だと。解釈のずれが起きないようにすることが重要だよねって話があって、バリューっていうものがみんなの道標になっていけば良い。そこで解釈ずれてると、どんどんまた指示数が増えちゃう。うちの根本的な考えとして、ルールを作るよりも自律的な組織であった方がいいよねって思ってるからこそ、じゃあ自律的であるっていうのは、みんな考えていることが一緒であればより自律的にできるし、考えてることがバラバラだったりすると、どんどん指示とかルールとかできちゃうよねみたいな話があるんで、やっぱり重要なのは意思決定の優先順位というか順番を決めましょう。

ただし、別にこれは優先順位というよりは、どこを起点に意思決定をしているかって順番をまず作りましょうっていうのを確か話したはず。

柴田:たとえばなんか、クライアントさんからめちゃめちゃ高い金額の案件をもらえそうだけど、これちょっとお客さんにとっては良い物でないけどどうしますかみたいな、そういう意思決定があったタイミングとかで、この順番が使われるみたいな感じなんですか?

ステイクホルダーの優先順位について

堀江:そうですね。「ステイクホルダー誰がいるんだっけ」みたいな話の時に1番最初に話したのが、ユーザーさんとかクライアントさん。ユーザーさんとクライアントさんってうちの中であえて分けているのは、ユーザーさんはC向けサービスなので使ってくれるお客さん。クライアントさんっていうのは、そこに広告を出稿してくれるメーカーさんのこととかをうちはクライアントさんと呼んでます。で、この2はつあるんだけども、みんな(ステイクホルダーは)これだけだと結構思ってるけどもそうではなくて、チームがあったり、個人があったり、よくよく考えてみると世界というステイクホルダーもいるよねみたいな話になって。合宿でこれ色々話したんだよね。

で、まず1番最初に何が重要かなっていうのをいろいろ話した時に、みんな最初は「ユーザーさんじゃない?」みたいな話が出たよね。とか、「社員さんじゃない?」とか、いろんな解釈ありましたね。ドンで出したけど、結構みんなずれてましたね。でも、みんなで話し合う中で30年、50年成長し続けて健全な成長してる会社ってどこが1番重要なんだっけと言うと、やっぱりうちの会社のビジョンであるBe The Sunって言ってるけど、世界にとって良いものでないとそもそも残らないんじゃないかとプロダクトとして。まあ確かにそうだなという話があって。

たとえばどんなことがあるかというと、今自動車会社でテスラとかものすごい時価総額上がって伸びています。でも、なんでテスラがすごいかというと、もちろんブランドがカッコイイとかいうのもあるんだけれども、電気自動車とかそういった環境に優しい車として、おそらく今後伸びていくんじゃないかと。

一方で、今売上がもっと高い会社っていっぱいあるんだけど、テスラよりも売上高いけれども、時価総額低い会社はいっぱいある。これは何かと言うと、電気自動車とかではなくてガソリンとか他の燃料を使っていて、環境によろしくはないものをいっぱい使っているけれども、現状1番値段も安くて、人類が1番多く使っている車を開発している会社がいっぱいある。

で、結果的に最終どっちが勝つってみんなが思ってるかと言うと、テスラが勝つと思ってるから時価総額が高いわけじゃないですか。で、テスラは資金をどんどん調達していって世界で戦っていると。つまり何が言いたいかというと、結局世界とか環境とか社会にとって良くないものっていうのはどこかしらで規制されたりする。世の中にとって良くないものを作っていたら、短期的にはシェアとれたりするかもしれないけど、どっかでその順序というのは崩れる。

中国とかもそうでしょ確か。もう既に電気自動車っていうのが国によって水素とかだけど、日本もこの前発表していたと思うんだけれども、まさにそういう事例があって。あとアパレル業界だと、こういった燃料使うのやめようねとか、動物の毛皮使うのやめようねとか、あれも世の中にとって良いこと・世界にとって良いことです。まあ、割り箸がどうかはわからないけれども、木材を多く使うのやめようとか、プラスチックを多く使うのやめようとか。今までプラスチックを使ってたメーカーって環境には悪いけど売上が上がってるわけです。こういった時に僕らが仮に売上の大半がプラスチックの製造だったとしても、早めに地球環境に良い物を開発できていれば多分永続的に生き残るんだけども、プラスチックを売ることに固執してたら残らないよねみたいな話があったので、結局僕らが1番前に出したのは世界が1番前。その後にユーザーさん、クライアントさん、チーム、個人と。世界、ユーザーさん、クライアントさん、チーム、個人

柴田:そうですね。このとき僕ら、そもそも優先順位つけるかつけないかも結構そのとき議論したような気がしてて、「これ全部トレードオンしないといけないんだから、誰かマイナスってダメじゃない?」みたいな話があったけど、不等号みたいな感じだったから、不等号じゃないよねみたいな議論も結構あったと思うから、そこもちょっといいですか?

堀江:まあ優先順位ではないんですよね。優先順位ではなくて、全員が1番得する形を考えようとしたんですよ。で、全員が1番得する形ってなんだと。それが長期で続くとより良いと考えたときに、世界が前に出て、ユーザーさん、クライアントさん、チーム、個人で、これはなぜなのかって話ですよね?

柴田:そうです。

堀江:世界が1番前に出ている理由はさっきのとおり、長期でとらえたときに規制とかが入ったりするから良いもの作ろうと。じゃあなんでユーザーさんがクライアントさんの前に出ているかって話が出てきて、これは明確で、やっぱり使ってくれる方がいないと広告っていうのは話にならない。

単純に、お客さんが減ってるところに広告出す人いないじゃないですか。だからやっぱり、あくまでもどんなに売上あげたくても、お客さんが嫌になるような、長期で見たくなくなってしまうような広告は出してはいけないと。それってひいてはクライアントさんのためなんだよね。つまり、ユーザーさんを前に出してるっていうのは、クライアントさんを後回しでいいと考えてるのではなくて、クライアントさんが最も得する形が結局これだと考えている。

昔あった事例だと、特定のクライアントさんの商品広告を売ってきたメンバーがいて、そのクライアントさんのコンテンツがより見られて欲しいから、サムネイルものすごい派手にして見せた。あのときになんか「いや、それは違うでしょ」って議論になったはずなんですよ。「いやそれ、短期的には確かにCTR上がってるかもしれないけど、お客さんこれ見てどう思う?」みたいな。

なんか1個のコンテンツだけ枠で括ってたんだよ。これってこのクライアントさんのブランド毀損してないかみたいな話があって、次これがあったときに見るかなと。

柴田:だからそういう意味では、ユーザーさんに対して良いものを作ることは、本当にクライアントさんにとってもそういうケアができている会社であるところも含めて、クライアントさんの長期目線で見ても良いってことですよね。

堀江:そうです。結局、クライアントさんを後ろにしてるのではなくて、クライアントさんが最も良い広告をするためにユーザーさんを前に出す。

(以下、後編)

Trade Onというバリューの考え方