Trade Onというバリューの考え方
Trade Onというバリューの考え方

Trade Onというバリューの考え方

配信者のTwitterはこちら:堀江さん柴田さん

10:50〜

柴田:たしかに、たしかに。そういうことですね。もう1個質問というか僕も結構聞いてたのが、一応順番っぽく見えてしまったのもあって、まあ今の話から説明できるかもしれないんですけど、個人が最後にきてるっていう印象を持たれてしまう感じもしてて。チームと個人のバランスもあると思うんですけど、ここの部分ってどういうふうな考え方なんですか?

堀江:これも一見するとまさにおっしゃる通りなんだけど、まずここに書いてあるステイクホルダー全員が幸せになるために作ってるっていうのが、このバリューの基本的な考え方です。「じゃあなぜ最後に来てるんですか?僕たち1番最後なんですか?」

全然違います。みんなメンバーが最高に得をするために、ユーザーファーストであり、世界にとって良いことをしようと。で、まずクライアントさんとかチームがあって、個人があると。なんでなのってよく言われるんですけども、これらの順番を守っていると、結局個人に入ってくる収益とかリターンというのが最大化されると思ってるんですよね。

この順番さえ守っていれば、会社っていうのは技術的な発明というものが、僕らが仮に遅れてなければ勝負には勝ち続けて、個人に対してもリターンが最大化できると。ただし、どこかでたとえばユーザーファーストじゃなくて、我々の収益とか個人が誰かが得しすぎるようなこととかをやってしまうと、たとえばチームが崩壊したりだとか、プロダクトのマーケットシェアというのが全くとれなくなってしまったりとかすると。

なのであくまでマーケットシェアを取って、ちゃんとクライアントさんに満足してもらって、ちゃんと会社が健全に成長した上で、それらが1番個人に対してもお返しできる方法だと思っていると。だから、あえてここにあるんだけれども、これは事実上、個人が別に1番前にあってもおかしくないくらい個人は大事にしてるんです。

でも、そのためにこの意思決定の順序をみんなで守るというのは非常に大事な考え方で、決してこれは優先順位の問題ではなくて、意思決定の順序を決めたものだと言うのがこのバリューの非常に重要なポイント。

柴田:だから個人をないがしろにするっていうのは全くないってことですよね。

堀江:むしろ個人に対しても最近の我々の考え方っていうのはみんながやる気を出すぐらい、ちゃんと個人に対してお返ししていこうと。それがまた優秀な人材をどんどんどんどん集める。チームになっていくと信じているので、全くそういう話じゃないし、あとトレードオンっていうのはトレードオフしないって話だから、たとえばチームが前に出ているけれども、チームが利益を出すためとか、決算のためにみんなの給与減らそうっていうのも我々なくしてると。

たとえばこの前改めて評価の話をしてたときに、多くの会社が、会社の新規投資をしているときに営業利益に連動して報酬が決められている会社が結構多いと言いましたよね。これをやると良くないって僕が言った理由があって、結局それってチームの都合で、どんどんどんどん新規の投資をしているだけであって、個人にとっては出してるバリューは変わらなかったりする。これでみんなの報酬が減ってしまうというのは関係ないじゃないですか。みんなの出してるバリューは変わらないし、能力は変わらないし。

結局、僕らの考え方的にはトレードオンすると。会社の利益と個人の報酬をトレードオフしてしまうのではなくて、トレードオンしようとしているからこそこの順番になってるし、僕らは営業利益と個人の報酬というのを連動させないって決めたんだよね。そこにも僕らの哲学というのが評価の中に入っているかなと思ってます。

柴田:トレードオンってめちゃくちゃ難しい話だと思ってて、全員がハッピーになる絶妙なバランスを突き詰めないといけないという話だと思うので、それこそ個人みたいなところでいったときにダメな例みたいな事を言うと、面接とかでも僕ら結構初期の頃からずっと言ってましたけど、「自分にベクトルが向いている人」みたいなのはきついよねって話してましたけど。

結構絶妙なバランスで組まれているトレードオンの構図っていうのを、自分のキャリアのためとか、自分の成果のためみたいな感じで崩してしまうみたいな人は僕らとしてはNGにしてきているという感じです。

堀江:実際よく僕が言ってることで、相田みつをさんが「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」って言ってるけど、これもお客さんとか世界を優先順位で考えれば、あまりあまるような価値が生まれるから、それをみんなで分け合おうぜっていう順番を理解している人と働きたいと、それが我々の収益をもっと生む方法なんだから、長期的にね。

それをちゃんと理解してない人が自分ばかりが先に得をしようみたいな人とか、これってあんまりメンバーの人で出来る人って多分いないはず。これができてしまうのは多分役員とか社長だと思う。僕自身への戒めだと思うけど、チームのみんなが全然得しないし、いいものを生み出してないけど、僕だけが得してしまうみたいな意思決定ってまあガバナンス効いてない会社だと起こり得るじゃない?そういうことを僕自身含めて社長を含めてしちゃダメだと。まずはチームを最優先して考えようっていうのがこの考え方ですね。そしたら絶対返ってくるんだよね。

これが逆転してる会社が多いんじゃない?社長個人ばっかりが得しようとしちゃう。

柴田:本当にこのトレードオンを崩して失敗してるパターンはどこの構図見てもありますよね。ユーザーさんとクライアントさんの間で、クライアントさん重視しすぎちゃって短期思考になっちゃってるとかもそうだし、今の話みたいに代表の人が自分にベクトル向けて選んじゃうとか

堀江:結局、僕自身もチームのみんなが先にハッピーになってくれて、モチベーション上がってくれて、どんどん世の中に良いプロダクトを、ものすごい熱量を生むようなプロダクトを作りたいと思ってもらえれば、結果的に会社が大きくなり、じゃあ社長自身だっていつか得をするじゃんみたいな考え方もできないといけなくて。これが全メンバーそう思ってないといけないんだよね。なんだけど、「いや、俺は何とか給料上げたい」みたいなそっちが最優先になっちゃうと、やっぱりどこかしらで崩れちゃうよね。良い意思決定っていうのは。

柴田:この話ってずっと堀江さんの中であったんですか?それともなんかどこかでパキッと変わってハマったのか。なんか去年、考え方で結構会社も舵を切ったというイメージがあったんですけど。舵を切ったというか明確にしたっていう感じですけど。

堀江:前回長期思考の話しましたけど、やっぱりこの会社を長期で伸ばすための理由に変わっていったというか、今までってたとえば、上場までいかに頑張ろうみたいな話とかがみんなまず会社が小さい時、考えることじゃないですか。

でも別にうちからしたら全然どうでもいいことで、まずめちゃくちゃいい事業を作って、いい人材を集めて世の中に対して良いことしてこうって、これらが優先順位なだけであって結局見る視点というのが5年後の上場に向けてみたいな話なのか、それとも30年後に向けてなのかみたいな話になった時に、僕らの事業って長く時間がかかるものだよねと。たとえば生鮮のECとか、あとはクラシルの世界展開とか。そういう長く戦わなきゃいけないんだと考えた時に、5年単位ぐらいで考えてちゃダメだよねと思ったから、より長期で会社が繁栄する形を考えたと。それをサステイナブルに長期で複利で伸びていくような会社を作らなければいけないって考えたときに最も重要だと思ったのが、ステイクホルダー全員の幸せが連鎖し続けることなんだよね。誰かが損こいてると、「なんか俺だけ我慢してる」みたいになっちゃうと、その連鎖というのはどこかで崩壊するから。

やっぱり螺旋状にこの成功というのは繋がっていると思っていて、ステイクホルダーみんながこれを繋げてくれてるわけですよ。これがどっかで欠けてしまうと、たとえば、「この会社、個人・メンバーが全然ハッピーになってないよね」と。そんな会社に良いメンバー集まりますか?戦いって、良い市場において良い時期にどれだけ良いメンバーを集められたかというのが大事なはずなのに、そこのメンバーというのが最終的に集まらなくなる会社になってしまう。だからステイクホルダー全員の幸せが長期で螺旋のように繋がっていく会社を目指さないといけない。

誰かを欺いてしまったらどこかで全員が損しますよって話なんで、より長期思考になったかなと。全員の幸せを考えるのが会社にとって最も合理的な決断なんじゃないかなと思ってるわけですね。これはでもやっぱりあれだね、僕らからクライアントさんに提供するものだって、今売れたとしてもお客さんにとって効果的なものでなければ意味がなくて、「なんかなんとなく導入してるんですよね」じゃなくて、たとえばSaaS系のプロダクトでも明らかにうちの会社にとっても、本当だったら10人採用しないとできないような作業が、このプロダクトがあることで月額50万円でできています。これって明らかにその会社にとって素晴らしいプロダクトじゃないですか。これって100年絶対使い続けるじゃないですか。それがまあ100年かどうかは時代が変わってるから分からないけど、ずっと変わらないと。

でもなんとなく営業でゴリ押しされて、人間関係で「分かりました分かりました導入しますよ」みたいなものって絶対どっかでなくなるわけですよね。なんとなくバズワードに踊らされてト導入しちゃったものとかって絶対どっかでなくなるから、やっぱり全員にハッピーになってもらうっていうのが本当に大事だと。

柴田:本当にこれが作れていけば、本当に誇れるサービス・誇れる会社になりますもんね。どっから見ても隠さないといけないことはないというか、そういうふうなものを作っていきたいですね。

縦に価値を積み続ける

堀江:そうですね。でも思い返すと、この話が出たのってプロダクトって気づかないうちに、ユーザー価値以外の何かに引っ張られて、プロダクトという建物をみんなで建築するのが崩れていっちゃうねみたいな。ピサの斜塔っていうのはたぶん傾き始めたとき、多分あんまりみんな気付かなかったけど、それが何十年も続いていくうちに、ものすごい傾きになっちゃったと思っていて。まあピサの斜塔調べるといろいろ違うんだけど(笑)分かりやすく言うとね(笑)

でもなんか建物って傾き始めたとき気付かないんだよ。「ちょっと今回はユーザーファーストせずに売上に集中しよう。」そうじゃなくて、やっぱりちゃんと縦に価値を積み続けるっていうことが重要であって、この順序を守っていけば間違いなく我々の価値は崩れない。マーケットシェアも崩れない。それが崩れていくと、新しい新興企業とかが利益度外視でまずマーケットに入ってきた時にシェアを奪われる。

マネタイズをしすぎて、そこが穴になってしまうみたいなのってよくあるじゃないですか。大企業がもう既にシェアをとれていて独占したと思っているけれども、なんか一部どんどんどんどん売上のために、ものすごいユーザーにとって不便をこうむるような機能を導入してしまうと、そこを狙われてまたマーケットシェアをとられてしまうから、やっぱりこれが守られていないとイノベーションのジレンマみたいなものがやっぱり発生しうるかなと思ってます。

柴田:最後に、みんなが普段使っていく上で、結構そのHeart to HeartとかGood to Greatとかは「Greatだよね」とか「なんか困ったらHeart to Heartで話そうよ」みたいに結構使いやすいところもあると思ってて。

トレードオンって概念的に割と広いところを示していて、大きな意思決定に関わってくる部分が多いような印象あるんですけど、普段からdelyのみんなが使っていくために運用面とかでこういうシーンだったら使ってほしいとかってあったりしますか?

堀江:まあでも、今日話した通りですね。この言葉自体をものすごい使うというより、普段から意識してほしい。これは意思決定の基準。世界、ユーザー、クライアント、チーム、でメンバー。これを常に意識して意思決定することがすごい重要なので、普段からこれがちゃんとユーザーファーストになってるか、これがちゃんと世界にとって良いものになってるかなと、これらが崩れてないことを常に意識してほしいし、実際に今運用上で、大きい意思決定をする時も細かい意思決定をする時も僕らが意識出来ていると思うので。

みんながこれを守り続けてればしっかりと運用されていると言えるかなと思うので、やっぱりまずはこの意思決定の順序。これがステイクホルダーみんなの幸せになっているか、長期思考になっているかみたいなのを意識し続けて、会社って今どんどん人数増えてるから意思決定の数がものすごく増えてる。でも僕はもうチェックできない。でもこれが揃っていれば、みんなの意思決定は指示されなくても同じになるから、会社っていうのは自律的に速いスピードで成長していると思っているので今言った点を意識してもらうといいのかなと思いました。

こんなところですかね。今日は長期思考の流れからTrade Onというバリューを紹介させてもらいましたが、他の機会でバリューをどうやって運用してるかとか、どんなバリューがどういうふうな経緯でできたのかみたいなのをまた話させて頂ければなと思います。

では第3回目のGood to Greatを終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

※この記事は配信者の許可を得て公開するものです。

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