💬

福島 良典の名言 #2

LayerX 代表取締役 CEO
東京大学大学院工学系研究科卒。大学時代の専攻はコンピュータサイエンス、機械学習。 2012年大学院在学中に株式会社Gunosyを創業、代表取締役に就任し、創業よりおよそ2年半で東証マザーズに上場。後に東証一部に市場変更。 2018年にLayerXの代表取締役CEOに就任。 2012年度IPA未踏スーパークリエータ認定。2016年Forbes Asiaよりアジアを代表する「30歳未満」に選出。2017年言語処理学会で論文賞受賞(共著)。2019年6月、日本ブロックチェーン協会(JBA)理事に就任。
 
関連記事を見る

 
成長企業で働いていた人は、起業して成功しやすいという仮説、真であると思う一方、雑な特徴すぎるのでそこにある2つの要因を考えてみた。 一つは文化的類似度。「企業は各々独自の文化を持つ。」「成功する会社の文化は驚くほど類似度が高い」というのを真とすると、会社を成功させるには「成功している会社の文化を真似る」事が重要である。 文化は「言語」だけでなく「行動」「文脈」などに依存する(by who you are)ので言葉だけ模倣するのではなく行動を模倣しないといけない。 成功する企業にある共通の文化として「徹底的な数値・fact主義」「情報アクセシビリティが高い透明性を保つ」「素早い意思決定」「仮説検証的探索行動を、上司の説得より優先する」「換金性の高いビジネスモデルを持つ」「出自の多様性」「経歴や人種によらない抜擢構造」「筋肉質なコスト構造」etc こういった文化は「言葉」を真似ても意味はなく、「行動」「習慣」として真似る必要がある。当然、そういった成長企業で働いていた人はこういった行動、習慣が染み付いている。 成功してる会社には必ず、「文化輸入ノマドワーカー」が存在し、それが創業者であったり、幹部社員であったりする。一時期の楽天リクルート出身者やDeNA、GREEの出身者は「成功マインド、成功習慣」をいろんなスタートアップに人材流動という形で輸出した。 今はメルカリやグノシーがそれにあたるであろう。結果的に文化は言葉ではなく、行動として輸出・輸入される。シリコンバレーでもYahoo->google->Facebook->uber・airb・netflixといった人材流動が起きている。人材の変動も「文化の輸出入」と捉えたほうがいい。 もう一つの要因は「信用」の連鎖。成功する会社はすべて「信用先行」だ。期待値が先行してこそベンチャーといえる。未来の結果と将来のギャップをうめてリソースを与えてくれるのが「信用」である。 人間は一つ一つの要素を組み立てて、信用を評価するのが苦手。(これができる僅かな人、先見の明がある人が偉大なVC、投資家なのであろう)なので多くのケースでは「五光」が指す必要がある。ベンチャーにおいて一度成功した体験を持つは最強の五光である。実績は何よりも雄弁。 なので必然的に成功する会社には、成功体験を持つ人が多く集まる。創業者のケースもあれば幹部のケースもある。 とすると、成功要因の殆どを締めているマーケット選定とは何なのか。それは先立つ物でなく。こういった文化の輸出。先程あげた文化をエグゼキューションして、信用の連鎖を回すと、正しいマーケットに近づいていく。これがベンチャーの真実に近いのではないかということ。 コースラのいうジーンプール的採用はまさにベンチャーを生き抜く上での知恵である。 https://www.khoslaventures.com/gene-pool-engineering-for-entrepreneurs あと肌感としてこれくらいめちゃくちゃでも成功するんだという感覚も重要。成功した会社は外から見ると何もかもが完璧に見える。一つの意思決定ミスもなく、不安もなくそこにいるように見える。中から見える実体はボロボロ、不安、焦り、ハンマーでぶん殴られるような不運etc 大抵は悲惨な体験をしてる。
 
意思決定において、1「自分も未知だし、周りの専門家も未知」2「自分にとっては未知だけど、周りの専門家は既知」3「自分にとっては既知だが、周りの人には未知」4「自分にとっても周りにとっても既知」があって、2を消すのがうまく、3を扱うのがうまい、1を効率よくためし、4にはリソースを使わない。
 
リスクに晒されないと無駄にプライドだけ高くなるという人間の変えがたい性質ってあるよね。身銭を切れ、自らをリスクに晒せ。そうなると自然と謙虚に、貪欲に、何から誰からでも学ぼうというハングリーさが出る。
 
非エンジニアなんだけど、テクノロジーどうやって学べばいいのと思ってる人、言い訳してる人、ちょっと立ち止まって考えてみてください。その知的怠惰なくせ相当危ない。よくよく考えると、スタートアップの経営者なんて、よっぽどのケースじゃない限り、経営も、ファイナンスも、営業も、全て素人です。 あるのは覚悟と熱量とそこに120%時間を賭けるという時間配分。つまりテクノロジーに限らず、経営も、ファイナンスも、マーケティングも、営業も、採用も、広報も、組織マネージも、M&Aもなんでもかんでもゼロから学びそして、そこの専門性をもった人材を獲得するという事が必要です。 リード・ホフマンは、シリコンバレーで成功してるテック系創業者は総じて「ビジネスオタク」だという。僕の周りでも成功してる経営者はそのドメインに関して圧倒的「オタク」です。法律、決済、サプライチェーン、マーケティングetc。 僕は言いかえると、成功してる創業者は「学習オタク」であり「leran how to learn」「execute soon」の資質を持ってる人だと思います。ので少しでも知的怠惰、行動怠惰な言動思考を持ってしまってる人は失敗する可能性が限りなく高いので、日々の思考から気をつけたほうがいいと思います。 そしてそもそもこの習慣が辛いならスタートアップは向いてないので、そういうリトマス紙でもあると思います。社会は様々な性質を持つ人からなる多様なポートフォリオなので、スタートアップだから偉いとかないです。なので向いてないならもっと活躍できる素晴らしい環境が他にあります。
 
 
🖋️
続きを見る