機能のハイプサイクル
公開日
2021/06/03
著者

何年も前に、ガートナー社は「テクノロジーやアプリケーションの成熟度と普及状況を図示する」ためにハイプサイクルを作成しました。それ以来、多くの人々がハイプサイクルを取り上げ、このサイクルに従わないテクノロジーの例を指摘してきたものの、そこには否定の余地もない見識があります。そしてこれはプロダクトにも当てはまると私は考えています。
私がPinterestに在籍していたときも、現在も、創業者やプロダクトリーダーとの多くの会話の中で、多くの機能にはそれぞれハイプサイクルがあることに気づきました。
まず、「きっかけ」があります。それは、ブレインストーミングのアイデアかもしれませんし、ハッカソンのプロジェクトかもしれませんし、ユーザーリサーチから得たインサイトかもしれませんし、誰かの戦略的な決断かもしれません。きっかけが何であれ、そのアイデアは社内で勢いを増し、知名度を高めていきます。ドキュメントが書かれ、デザインが完成され、プロトタイプが作られます。そして、期待が一気に高まります。私自身の経験をここに書きましたが、自分が取り組んでいることが、これまでにリリースした中で最も重要な機能になると感じたときの興奮は、とても素晴らしいものでした。革命的です!
そして...それをリリースします。本当に一部の機能はすぐに採用が決まり、インパクトがあります。私は常々、Instagram ストーリーズがその完璧な例だと思っています。しかし、ほとんどの場合、機能に対する熱狂は、幻滅の谷に突入します。ユーザーはその機能を発見しないか、発見しても試さないか、試されても使い続けてもらえません。そして多くの場合、プロダクトチームと会社は、期待値を高めた次のアイデアに向かいます。
もちろん、これが正しい判断である場合もあります。プロダクトに対する仮説を持っていたけれど、それが間違っていたということです。しかしこれは多くの場合、その機能が「啓蒙の坂」を登り、「生産性の安定期」に到達するチャンスを失ってしまうことを意味します。
すべてのコンシューマー向けスタートアップがFacebookのように最初からローンチできるわけではないのと同じで、すべての機能がInstagram ストーリーズのようにローンチできるわけではありません。ユーザーがプロダクトを発見する方法をいろいろ試してみたり、成長のループを構築して調整したり、機能にさらなる深みを加えたり、コピーを微調整したりなど、機能に本当にチャンスを与えるためにはイテレーション(反復)が必要です。
次の段階に進む前に、自分自身に問いかけてみる価値があります。あなたは、幻滅の谷であきらめていませんか?そして、啓蒙の坂を登るためには何が必要でしょうか?
そして忘れてはならないのが、生産性の安定期で惰眠をむさぼっている既存の機能を見て、交換すべきかどうか、あるいは削除すべきかどうかを考えてみることです。何を追加するかと同様に、何を削除するかについても厳密に検討することが重要です。
※この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文:The Hype Cycle of Features by Sarah Tavel