学習サイクルが高速で回る仕事を探そう
公開日
2021/05/25
著者
キャリアをスタートさせてまもない優秀な方に対する標準的なキャリアアドバイスは、「急激な学習曲線」がある仕事を探そうということです。言い換えれば、多くのことを早く学べる仕事を見つけなさいということです。
私が大学時代に最初の仕事を探していたとき、学習曲線の傾きが頭の中に大きく浮かびました。傾きが急であればあるほど良いので、私はそういう仕事をしたいと思っていました。私にとって学習曲線の勾配の険しさとは、どれだけ早く責任ある仕事に就けるかということでした。そこで、出世が期待できる仕事を探し、最終的にはスタートアップ企業である戦略コンサルティング会社に入社しました。
今にして思えば学習曲線は二次元的なものでした。つまり、自分がどれだけ早く学べるかということと、仕事がどれだけ早く教えてくれるかということです。
多くの場合、仕事が教えてくれる速さが人の学習曲線を左右するのであって、その逆ではありません。私はこれを、仕事の「学習サイクル」と考えています。

急成長しているスタートアップでは、学習サイクルが非常に速くなります。たとえばPinterestの場合、特に初期の段階では、検証したい仮説があればすぐに実験を行いました。すでに非常に熱心なユーザーベースがあったため、1〜2週間で結果を得ることができました。基本的に、私の学習サイクルは非常に速く、非常に短い期間に膨大な量の学習を詰め込むことができました。
一方で、マイクロソフトのような大企業で働くプロダクトマネージャー候補によくインタビューしました。私はいつも、彼らが長年の経験があるにもかかわらず実際にプロダクトマネジメントをしたことがほとんどないことに驚かされます。途中で何度も昇進したにもかかわらず、1つの機能をリリースするのに何年も(文字通り!)かかっていたのです。
直感に反するようですが、まったく新しいスタートアップは、すでに「ロケットシップ」となっているスタートアップよりも学習サイクルが遅いかもしれません。これは、プロダクトマーケットフィットを見つけるまでは迷走することが多いからです。
ですからもしあなたが転職を考えていたり、初めての就職を考えていたりするなら、私からのアドバイスとしては、学習サイクルが早く、学習曲線が急なところを探してみてください。
※この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。