マーケットプレイスのヒエラルキー【第三階層】

マーケットプレイスのヒエラルキーシリーズの第一階層第二階層を読み、もっと詳しく知りたいと思っている方に向けて、第三階層のスライドを用意しました。
 
第一階層と第二階層では、一本線のフォーカスについて説明しました。最小限の幸せに到達することが難しいと感じるのであれば、市場があなたの方向に「転換する」ような第二の幸せの閾値に到達することはさらに難しいことです。両方を達成するには、信じられないほどのフォーカスが必要です。
 
もしもあなたが第三階層を登る準備ができているのなら、あなたのコホートはますます好調になり、ますます多くのオーガニックな成長が起きます。
おめでとうございます。市場はあなたの方に転換しています。しかし、勝利宣言をするにはまだ早いです。
 
ノルウェーのコングロマリットであるSchibsted社は、国際的なオンラインクラシファイドサイトの膨大なポートフォリオを所有しています。彼らが自社のクラシファイドポートフォリオを分析したところ、あるサイトがそのカテゴリー / 地域の第2位と比べてどれだけ大きいかということと、そのサイトの収益性との間に関係があることがわかりました。ここでのインサイトは明瞭です。つまり、ただ単に1位になるだけではなく、大差をつけて1位になる必要があるのです。
 
しかし、1つの市場やカテゴリーで競合他社を圧倒するだけでは不十分です。獲得した都市やカテゴリーごとに、独自の転換ループが生まれるのです。このループは貢献利益を生み出し、その利益をビジネスに再投資することができ、さらにマーケットプレイスの改善にかかるコストをより大きなベースで償却することができるのです。そしてもちろん、都市やカテゴリーを勝ち取ると、利益に先駆けて発生する営業費用を埋め合わせるための、より多くのベンチャー資本を集めることが容易になります。
 
言い換えれば、あなたは今、市況や競争を支配するためのレースに参加しているのです。支配には3つのベクトルがあります。
 
1つ目は、元々の市場やカテゴリー(水滴<訳注:TAMを海としたときのニッチな市場を水滴と表現している。詳しくは第一階層を参照> )で圧倒的な差をつけて1位になることです。
 
2つ目は、水滴を超えて拡大し、あなたが解決する買い手のユースケースを広げることです。
 
そして3つ目は、第一階層と第二階層で磨いたプレイブックを使い、地理的に複数の支配を追求することです。
 
これは、必ずしも3つの要素を同時に追求しようと言っているのではありません。第一階層、第二階層、第三階層のバランスをどうとるかは、競争環境によります。第三階層は、これらのトレードオフを実行し、支配のチャンスを最大限にすることです。
 
しかし、気をつけてください。自分が勝ったと思っていても、これまで多くの既存企業が追い抜かれているという事実があります。勝利に甘んじることはできません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
幅を広げる際のポイントは、ブランドやミッションに沿った方法で行うことです。買い手のマインドで何かを支持する必要があります。例えば、UberはコアとなるSKUを拡大し続けていますが、いずれも交通手段です。
 
Etsyは、これがうまくいかない例でした。
 
Etsyは、IPO前にGMVの成長を追い求めていたと思われますが、Etsyでの供給をハンドクラフト商品に限定しなくなった時期がありました。WIREDの記事 "How Etsy Alienated Its Crafters and Lost Its Soul" に詳しく書かれていますが、買い手はハンドクラフト商品を見ているのか、大量生産商品を見ているのかわからなくなり、大量生産商品のせいで値下げを余儀なくされたクリエイターは反旗を翻し、両サイドにおいて信頼と幸福感が損なわれていきました。あまり良い状況ではありません。
 
幸運なことに、Etsyはこの事態に気づき、供給サイドをクリーンにするプロセスを経て、衰退に歯止めがかかりました。しかし、ミッションやブランドと一致しない成長は、良いことよりも悪いことの方が多いということを思い知らされました。また、GMVではなく、幸せを追い求めるべきだということを思い知らされました。
 
 
 
 
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※この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。