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CtoCのニワトリとタマゴの問題を解決するためにやった5つのこと

Date
2021/08/03
この記事はフリル創業者堀井 翔太さんの記事「CtoCのニワトリとタマゴの問題を解決するためにやった5つのこと」をご本人から許可をいただき、転載するものです。
 
堀井 翔太 株式会社Fablicの創業者。 フリマアプリ「FRIL」 を運営していました。今は家計簿プリカ「B/43」を運営しています。
 
目次
 
初期のマーケットプレイスの立ち上げ方法シリーズの続編。
 
前回も話したようにフリマアプリのようなマーケットプレイスは出品者と購入者の両方が必要です。
 
ただし、最初のプラットフォームは、ほとんどのユーザーにとって、そこに参加するコストの方が、そこから得られる価値より高くなります。つまり買い手がいないマーケットプレイスに登録して、商品を出品する手間(コスト)を払うユーザーなどいないという問題にぶち当たります。
 
なので、プラットフォームの最初の目標は、両方のユーザーを十分な数を集めて流動性を確保することです。
 

どちらが先か?

冒頭の通り、マーケットプレイスは需要と供給においてどちらを先に獲得するのか?といったニワトリが先か、タマゴが先か問題に必ず直面します。
 
そしてほとんどの場合、初期の流動性の確保のために売り手(供給サイド)の構築から始めることになります。これは初期の段階では、売り手側により強いインセンティブがあるからです。逆に売り物がない場所で、買い手がいたいとは思わないでしょう。
 
実際にUberやAirbnbといったマーケットプレイスも立ち上げ初期はどちらも供給サイドの獲得に力を入れています。
 
自分たちの場合は何よりブログやmixiという不便な方法で出品&取引しているユーザーを見つけたことで、出品者に10倍良いプロダクトを開発したいという着想から始めたのもあり、ここからスタートしました。
 

ニワトリとタマゴの問題を解決するためにやった5つのこと

まず心構えとして重要なのはネットワーク規模のないプラットフォームは大した価値はないので、なりふり構わぬ供給サイドの獲得が必要です。著名なマーケットプレイスで有名なUberやAirbnbもかなりエゲツない方法でドライバーやホストを獲得していました。
 
よく聞かれることも多い、FRILの初期のユーザー獲得について書いていこうと思います。
 

1. サクラの出品者をする

一つ目は自身で出品商品を集めて、複数のアカウントを作成し、出品するといういわゆるサクラをしました。
 
当時は数をこなしたユーザーインタビューのおかげで初期に獲得すべきターゲットが好んで購入するブランドの目星もついていたので、その商品を集めるところから始めました。最初の商品は200個近くをリリースまでに集めることを目標にしていたものの、お金もなかったので主に都内で開催されるフリマを毎週土日に出かけては買い漁りに出かけてました。
 
問題だったのは代々木公園や吉祥寺のパルコのフリマによく行ってたのですが、若い女の子が出している商品を20台後半のおっさんが交渉して買うのは怪しすぎたことでした。これは女の子のインターン生に同伴してもらうことで何とか乗り切りました。おまけにフリマは朝一番か終了間際にいくと良いことを学べました。
 

2. 大学のネットワークを活用する

2つ目は生きた出品ユーザーも最初に確保する必要があったので、女の子だけの学生団体に一人5品以上出品をしてもらう座談会を開催することにしました。主にキャンパスまで出向くことが多かったのですが、これにはきちんとした対価をお支払いして実施していました。かなりの学生団体と座談会を開催したのですが、早稲田大学に創業メンバーで訪問し、総勢60人の女の子と教室で出品イベントを開いたのは良き思い出。
 
当時から出品される商品のクオリティが大事だと考えていたので、白紙の大型方眼紙とお手製の出品マニュアルを持参するようにしてました。おかげで背景は真っ白で、商品のカット数は3つ以上、商品の説明もきっちり入れてもらった商品を担保することができました。
 

3. 価値の高いユーザーをつかまえる

優先して獲得すべきは深いペインを抱えた、特にブログやmixiで商品を売っていたような顕在化しているユーザーでした。ここに関してはターゲットユーザーに対して執拗なまでのメールやメッセージを送りまくりました。
 
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左の画像が当時のmixiでモノを売っていた女の子に送りまくってたメッセージで、右の画像はFacebookグループの画像です。
 
運良くインタビューができた子には了承を得た上で、Facebookグループに参加してもらい、プロダクトの進捗を共有することで、価値の高いユーザーの子をリリースまで離さないようにしました。
 
※mixiの中の人、ごめんなさい。
 

4. 両方の役割を果たすユーザーグループに絞る

これは一つ目のサクラの出品者をすることと似ています。初期の段階で出品者と購入者の両方ができるユーザーグループを見つけることができれば、需要と供給を同時に満たすことができます。
 
以前のブログでも書きましたが、FRILが初期にファッション衣類の売買に特化していたのは、売買のサイクルが生まれやすく購入頻度が高い市場を選んだためです。ユーザーを女性に絞ることで買い手が売り手にもなり、売り手が買い手にもなることを狙っていました。
 
実際に読者モデルの着ていた服を読者が買ったり、初期に売上をポイントに交換して購入する機能を実装したことで、出品者が売上で商品を購入するという好循環を産むことができました。
 

5. 友達を招待してもらう

これは出品者や購入者に直接、金銭的なメリットを付与する方法で最も分かりやすいと思います。特に友達招待でのインセンティブはほとんどのプラットフォームが新規ユーザーを獲得するために使ってる方法です。自分たちも友達を招待してもらえると購入に利用できる100ポイントを付与していました。
 
利用のされ方としてはTwitterやブログ等で出品と同時に招待コードを貼り付けるこんな感じや、こんな感じでの利用が多かったです。
 
また、友達招待ではないですが、当時は世の中にフリマアプリというサービスがなかったこともあり、リリース直後から当時はAppBankのライターで今は超絶有名なゲーム実況者の@mamirutonさんと@spring_maoさんのお二人がヘビーに使って頂き、紹介記事を何度も書いてくださったのも大きかったです。特にマミルトンさんは1年近く一番ハマってるアプリはFRILだとプロフィールに記載してくれていた。お二人にはどんなに感謝しても仕切れないです。
 
そういう点ではヘビーユーザーに紹介をお願いするのが最も本質的な施策かもしれないですね。
 

まとめ

この他にもユーザーのお宅にお邪魔して代行出品をするなど、細かいことを上げるとキリはないですが、ほとんどの方法が非常に泥臭く、「スケールしないことをしよう」を地で行く手法ばかりでした。
 
今思えば、解くべき問題に対し“最初のユーザーに関わって適切なフィードバックを得る”、ことで本当に利用してくれそうなユーザーを実感できたのも大きかったと思います。
 
初期のユーザー獲得は、プラットフォームを構築する上で特に難しい部分ですが、創造力を働かせればニワトリとタマゴの問題を克服することは可能なので、このエントリーがスタートアップ創業者の創造力のきっかけになると嬉しいです。
 
では、また。
 

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