【前編】くすぶった起業3年、どう変化し業界No.1へ至ったか|アイデミー 石川 聡彦氏

公開日
2021/04/21
この番組は、East Venturesの村上さんとスタタイのコラボ番組です。
 
East Venturesの村上です。いま最前線で戦うスタートアップの創業者をゲストに迎え、創業のインサイドストーリーやスタートアップを立ち上げ・経営する上での考え方を語っていただくPodcast番組「The Founders」の書き起こしです。
 
 
💡
今回のFounder 石川聡彦氏(アイデミー) AIを始めとするデジタル技術全般を学べる「Aidemy Business Cloud」を運営し、DX人材の育成サービスを主にエンタープライズ向けに提供 / あらゆるポジションで積極採用中
 

目次

学生起業から3年間のピボット期間

石川さんは学生起業ですよね。創業前は何をされていたんですか?
 
創業は2014年で大学3年生の時なんですが、その前はアルバイトとインターン、あとは学生団体にハマっていまして。学生団体が一番印象に残っているんですけれども、KINGというビジネスコンテストの運営サークルの代表をしていまして、僕は2013年の代表だったんですが、ちょうど10個上にあたる2003年の代表がユーグレナの社長の出雲さんだったり。僕の2,3個上にクラウドワークスCOOの成田さんがいらっしゃったり。結構身近な先輩が起業して成功されているのを目の当たりにして、自分でもできるんじゃないかって勘違いしたというのが創業の経緯というか、きっかけの1つですね。
 
 
かなり人材を輩出しているサークルですね。
 
そうですね。やっぱり起業を志している方は多いですね。
 
なるほど。じゃあもう、大学に入った頃にはもう起業に興味があったんですか?
 
もともと興味ありました。高校生のとき、当時メルカリがなかったのでYahooオークションが主流だったんですが、そこで転売とかせどりにハマっていまして、当時品薄だったゲーム機とか漫画とかメモリーカードとかを売ってたのが商売の基礎を感じられたようで面白くて。高校生の時はいろんな制約があったんですが、大学生になったらビジネスができると思っていたので、大学生になったら本格的な商売をやってみたいなという気持ちはずっとありましたね。
 
最初はAidemyじゃないですよね。どういったサービスをやられていたんですか?
 
最初はAidemyとは全然違うビジネスモデルで、2017年にAidemyはできているんですけれども、2014年から2017年までの3年間は全然違うサービスをやったり受託開発をやったりしていました。
 
自社サービスっていう意味だと色々やってたんですが、3つほど特に注力してサービスをやっていて。
 
一番最初の創業当初には、物に特化したSNSというのをやってまして。自分の好きな物とか、欲しいと思われるだろう物をレコメンドするっていう。当時グノシーがかなりグイグイきてたんですけれども、グノシーを物に特化したようなアプリを作ろうっていうのが創業当時のアイデアでしたね。
それで全然ユーザーが伸びず、2つ目に取り組んだのが弁当のデリバリーで、delyの堀江さんがやった1年後ぐらいかな。やっぱりできるんじゃないかと思ってやったんですが全然ダメで。
 
もう1つはポイントカードアプリですね。飲食店に行ったら自動でポイントが貯まるようなアプリケーション。
 
そんな感じでほとんどがtoCでしたね。
 
当時、アイデアの出し方や事業構想はどのようにしてたんですか?
当時はやっぱり海外のイケてるスタートアップをベンチマークして、日本でもタイムマシン的に流行りそうなものをやろうっていう考え方が基本で、あとは+α自分でも課題に共感できるようなものを選定してやっておりました。
 
それで3年が経ったと。当時は外部資本を入れてない状態ですよね?
 
そうですね。100%オーナーが僕で、厳密に言うとビジネスに共感して頂いた方に社債という形で2,000万円ほど融資をしていただきまして。なので2,000万円ほど会社には現金があって、そのお金を使わせていただいておりました。
 
3年間事業が当たらないなか、メンタルが折れるようなことはなかったんですか?
 
Yes & Noっていう回答になるんですけれども、確かにメンタルが折れてた側面というのはあって。
 
たとえば当時休学してたりしたんですけど、もう1回復学するというのをやりましたし、新卒の就活はしませんでしたがいわゆるインターンに参加するっていうことはしてたので、本当にこのまま学生起業で行くのか、もしくは1回新卒就活するのかというのを天秤にかけていたというのは事実ですね。
 
ただ、もっともっとチャレンジしたいなと思った部分としては、お金を借りてしまっていたところもあるので、自分の気持ちだけでやっぱり会社畳みますというのは言いにくかったというのもまた事実です。
 
あとはちょうどAidemyが始まる1年ぐらい前に花房氏がユナイテッドにイグジットしたり、金くんがクルーズにイグジットしたり、当時East Venturesのシェアオフィスにも入らせていただいてたんですけれども、そこで花房くんとか金くんとかが近いテーブルにいて、あとはトリコの藤井さんとか、Bitstarの渡邊さんとか身近な方がわかりやすく成功していたニュースも見ていたので、自分でもできるんじゃないかなっていう期待を持てたので結構続けられたというのがありますね。
 

Founder Market Fitへの気付き

その3年間で得た学びはありましたか?
 
ものすごく学びは深かったですね。ファウンダーマーケットフィットみたいな話ってあると思うんですけれども、ファウンダーによってどういう事業領域が向いているのかっていう話ですね。やっぱりBtoC向いてないんだなっていう気付きがやっぱりあって。エモいサービスを作るのがものすごい得意な方、綾太郎さん(編集注:newn創業者中川綾太郎氏)とかが1番わかりやすい筆頭ファウンダーになるのかもしれないですけども、そういうのが全然理解できなくて、その辺は気づきでしたね。
 
2016年から2017年くらいのAidemyが始まる前1年間ぐらい、受託開発を自社サービスと並行的にやってて、データ解析とかヘルスケア企業のアプリ開発っていうのをやってたんですけれども、そういうことをやってるときの方がちゃんと売上も立つし、精神的にも安定しましたし。
売上がない状態で何千万円広告を踏むみたいなそういう大胆な意思決定がなかなかできないタイプだったので、安定的にキャッシュフローを生めるBtoBサービスの方が自分には向いてるんじゃないかなってふんわり思い始めたというのはありますね。
 
C向けは自分には無理だというのは、すっと受け入れられたのか、それともまだそこに未練みたいなものがありつつだったのでしょうか?
 
正直、未練はありつつでしたね。なので、100-0でスイッチが切り替わったっていうよりはグラデーションが徐々についていったというのが正しい部分なんですけど、やっぱり身の回りの方からのフィードバック、たとえばお客様からのフィードバックですね。BtoBだったら法人、BtoCだったら個人だったと思うんですけれども。
 
フィードバックの内容としては、法人のお客様の方が「結構イケてるね」というようなことを仰って頂いたというのもあります。そういうことで自分の特徴を捉えていったっていう感じですかね。
 
それで3年くらい経ったときに、出資を受け入れる決意をした。
 
そうですね。この3年間のプロセスのなかで、環境を変えないとスケールするようなビジネスはできないんじゃないかっていう思いもあったので、100%オーナーじゃなくて外部のVCさんにも入ってもらっていろんなアドバイスを仰ぎながらビジネスをやろうっていうことを2017年に思いまして。
 
まあちょうど2017年っていうのが、大学の学部を卒業して大学院にそのまま進学したんですが、そういう端境期。要するに同期がほとんど就職をしはじめたぐらいだったので、自分もサークルの延長線で会社をやることの抵抗感というのがでてきたので、環境を変えようという意味で2017年にSkyland Venturesの木下さんともう1人エンジェルの方から1,000万円ほど出していただきまして。そこから「ちょっともう1回会社をリセットし始めよう」というような形で、受託開発も基本的にクローズして、AI関連事業をやろうというので自社サービスを始めた。そんな感じが2017年ですね。
 
初期の投資家はどういうふうに選んだんですか?
 
コミュニケーション量ですかね。今はやってるかどうか分からないですけど、週に1回ぐらい壁打ちやるよって木下さんにおっしゃっていただいて。2017年は金曜日の朝9時にハイブ(編集注:Skyland Venturesのオフィス、ハイブ渋谷)に行って、「今こんなことやろうと思ってるんです」というのを壁打ちさせてもらって、Aidemyというアイデアの原型が出る前からそういうことをやらせていただいていました。
 
AidemyというAIのサービスにしようと思うんですというときに、最後に背中を押してくれたのも木下さんでしたし、「それだったらじゃあ投資するよ」って言ってくれたんで、「じゃあ継続的にディスカッションお願いします」ということで、2017年は週1でずっと1時間は木下さんと喋ってたんですよ。そこのサポートがあったというのはありがたくて。
 
というのも、やっぱりマインドチェンジは必要だったなと思って。受託開発っぽい考え方からスタートアップ的な考え方にアンラーニングする必要もありましたし、AIっていう事業領域でどういうふうにスケールさせるのかっていうところも、今まで自分の成功体験が無かったのでいろんな考えをいただけたというのがありがたくて。そういうこともあって木下さんに投資してもらうことにしました。
 

マーケット選択とAidemy誕生の経緯

その中でAidemyが生まれてくるわけですよね。それはどういうふうに生まれてきたんですか?
 
事業アイデアをブレストしてたんですよ。AIの教育サービスとか、ヘルスケアサービスとか、あとはメディア系のサービスとか。ちょっとどんな内容だったかあまり覚えてないんですけれども、アイデアは5個6個出して木下さんにぶつけてというふうにやってて、木下さんから雑にAIだろっていうフィードバックもありつつ(笑)
 
まあ実際データ解析の受託開発とかやってたので、自分自身も課題の共感度が高かったんですよね。当時AIは今後どんどん伸びていくということを話されていた方も多くいらっしゃったんで、やっぱり市場の伸びは大事だよねというようなアドバイスもしていただいて、じゃあAidemyにしようかなと。
 
なので正直、事業のこだわりは「絶対Aidemyじゃなきゃ」とかそういうのは無くて、最短ルートで山に登れるようなビジネスを見つけたいっていう選択軸の中でAidemyっていうサービスが1番良さそうだなというところが分かってきた。
 
アイデアを考えるポイントみたいなのはあったんですか?
 
やっぱり市場選択がファーストに来てましたね。(gumi創業者)國光さん(編集注:gumi創業者國光宏尚氏)もよく言われてると思うんですけれども。2017年当時言ってたのが、今でもあんまり変わってないかもしれないですけどAIとXRとブロックチェーンと、みたいなことを当時から結構おっしゃってて。
 
ある意味市場選択みたいのは巷でよく言われているもの、Tech Crunchとかも毎年年末年始とかにこの市場が来るみたいなそういうのやってると思うんですが、そういうものから選択的に選んでいたっていうところで、それが大前提ですね。
 
選択的に選ぶ方法というのはファウンダーマーケットフィットの部分で、私はそんなにゲームとかやらないですし、というので市場をいろいろ選択していって、「まあAIかな」っていうそんな感じの選び方だったと思います。
 
マーケットを俯瞰して選んでいったんですね。
 
そうですね、まずマーケットファーストでしたね。
 
そのなかで、セオリー的によく言われるような「顧客の課題を特定する」みたいな話があると思うんですけど、それをした上でAidemyが生まれたのか、それとももうちょっと違うプロセスをたどったのか、そこはどんな感じなんでしょうか?
 
顧客のペインポイントを明確にするフローは、Aidemyっていうサービスを走らせながら解像度を上げていったような感じなんですよ。
 
初期的なアイデアとして仮説はあったんですね。僕もデータ解析を大学とかでやってて、学びにくいっていう課題感があったのでそれを解決したいなというような課題仮説からスタートしてて。
 
それがAidemyの原型となるサービスをローンチする最初のアイデアの種になっているわけですけれども、そのアイデアの種自体はAidemyになってからちょっとずつピボットしていて。要するに、2017年当時はBtoC向けのサービスというのが主力事業だったんですけど、2018年にBtoBにシフトして。
 
これなんでシフトしたのかというと、ペインポイントがBtoBの方が深そうだったからなんですね。2020年、2021年もコンセプトはどんどん捉え直していて、AIとかデータサイエンスファーストだったのをデジタルファーストという形にこれもまた捉え直して。
 
要するにAIの技術力を知りたいっていうより、デジタルの教養を全社につけて、その上で課題解決の強力なツールボックスとしてAIをはじめとするIoT、クラウドそしてモダンな技術を使いたいっていう形でペインポイントがあると分かってきたので、「誰のどういう課題を解決するのか」っていうのはちょっとずつ変えていってはいるんですよね。
 
なのでアイデア仮説自体は自分の経験とか自分の体感から最初の仮説自体をブラッシュアップしてるんですけれども、そこはこだわりをあまり持たずどんどん変えていって、それは今でも変えていってるというのはありますね。
 

プレスリリースを活用した初期の検証・獲得

初期のアイデアの検証はどのようにやっていたのですか?
 
リリースの前に検証ステップというのがあって。2017年12月にプロダクトができているんですけれども、2017年9月ですね、なので3,4か月前にプロダクトではないんだけれどもアイデアを検証するようなプロトタイプを実際にローンチしたんですね。
 
それはどういうふうにローンチしたのかというと、今でもこのビジネスが続いてるんですけども、AI版の家庭教師、AIオンライン家庭教師っていうサービスを始めて、教材は一般的な本を配る、サポートだけSlackで提供すると。あとはビデオチャットで相談できるようにするっていうパッケージを2017年の9月にローンチしたんですよ。3ヶ月で10万円とか20万円とかで。当時は5万円からだったかな?そういう価格でローンチして、本当にお金を払ってでもAIを学びたいという人がいるのかというのを検証するプロトタイプにしました。
 
なのでそこ自体はプロダクトがある意味ほとんどいらない、Slackで環境用意してビデオチャットツールを使って本を渡すだけでいいんで。1日でできる内容だと思うんですよ、あとはLP用意してみたいな。それだけ用意してローンチして。で、限定5名と言ってプレスリリースだけ打って。そしたらかなり応募が来て、実際に5万円っていう価格でしたけれども10名ぐらいの方にお申込みいただいて、売上としては出そうだというのがわかったんですよね。
 
実際に(サービスを)デリバリーする中では僕もビデオチャットとかやりながら、サポート提供しながらですね、コンテンツも最初は本を配ってましたけど、Aidemyのオリジナルコンテンツも出てきたので、本の代わりに今度はコンテンツを渡すようになって。そしたら今度はめちゃくちゃミスがあったので、実質的にはお金払ってデバックしてもらったような感じだったんですけども。そこはちょっと申し訳なかったなと思いつつ。
 
そんな感じで徐々にアイデアの検証をしつつ、売上を立てながら検証したというプロセスですね。
 
初期のユーザーはプレスリリースから獲得していたんですね。
初期のユーザーは完全にプレスリリースでしたね。今は組織も大きくなり、プレスリリースの位置付けもだいぶ変わりましたが。
 
正式リリースから半年ほどでtoBの有料クライアントが20社以上で、しかもほとんどが一部上場企業ということで、初期から規模の大きいクライアントが取れているように思うんですけど、それはどのようにして獲得していたんですか?
 
大きいクライアントも初期はプレスリリースで獲得しました。
 
BtoBにシフトしようと思った最初の気づきとしては、BtoCでローンチしてからユーザーアンケートを取ったんですよね。100, 200名ぐらいから回答してもらって、学生が多いんじゃないかと思ったんですけど社会人がものすごく多くて。全体の7割とか8割とかいて。社会人もサイバーエージェントとかメルカリとかそういうWeb系のエンジニアが多いのかなって最初は思ってたんですけど、製薬企業とか製造業とかその他自動車メーカーとか、そういう方々に使っていただいていた。
 
それが僕にとって大きな気付きで、実はこのサービスって身の回りにいるような学生とかベンチャー界隈じゃなくてあまり見知っていなかった大企業さんの方がニーズあるんだって気づいたんですよね。それで法人向けのサービスとしてLPを作って、管理機能とかだけちょっとアジャイルに足して、プレスリリース打ってローンチしたんですよ。
 
他にも家庭教師プランって最初にプロトタイプとして始めたと申し上げましたが、これは法人の名義でお申し込みを頂いて、受けるのは当然個人ですけど、お財布は法人から出すっていうようなケースがあったんですね。なので領収書や請求書の宛名で誰がどの会社で使っているのかがわかるんですけど、超大企業さんの名前が並んでて「何か法人向けの方がニーズありそうだな」っていう気づきになっていた。
 
なので個人向けに訴求してたら、気づいたら実は経費として支払われていることが多くて法人のクライアントであるという気付きで。そういった意味で実績があったので、法人向けに売るときも、「こういう会社でもう既に使われているんですよ」と営業で言えたっていうのは半分ラッキーなポイントでした。こんな感じで法人向けの開拓を2018年初期の頃は進めてましたね。
 
学生起業がゆえのボトルネックはありませんでしたか?
 
ありましたけど、そんなに致命的なものは無かったですね。要するに、契約を最初とるときに先方の方がちょっと心配される、「請求のフローとか大丈夫ですか?」みたいなのは確かにありました。やっぱそれですね。受託開発で多少BtoBの取引もやってたので、そんなに違和感なく対処できたのはありました。大企業との煩雑な契約取引みたいな契約書のやり取りみたいなのは多少発生すると思うんですけど、そういうのは僕の特性として、違和感なく打ち返せたりしたんですよ。そのあたりも僕がBtoBに向いてるというところにつながってくるんですけど、そんなに違和感なくできましたね。
 

AidemyがオンラインAI学習サービスユーザー数No.1*になれた理由

オンラインAI学習という領域で今ユーザー数No.1だと思うんですけど、No.1になれた理由とか、どう勝ち筋を描いてるのかみたいなところを教えてください。
 
BtoBシフトは大きかったですね。AI系のサービス、こういう先端技術に近いような領域で一番投資をしていただける可能性のある、課題感が強いお客様を早く見つけられたのは大きくて、そこにフィットするようなコンテンツ開発ができたというのが大きかったと思います。
 
BtoCからBtoBにピボットしたというか、フォーカスを変えたと申し上げたと思うんですけれども、そうなるとやっぱり作らなきゃいけないコンテンツっていうのも若干変わるんですよね。BtoC向けのコンテンツだったら、自分がいかにスキルを伸ばして市場価値を高めるかっていうところにフォーカスすればいいんですけれども、BtoB向けとなると、エンジニアと企画職と管理職っていう三者がいて、かつエンドユーザーとサービス採用の意思決定者が変わってくる。なので、ユーザーに刺さるコンテンツだけじゃなくてサービスの意思決定者にも刺さるコンテンツも用意しなきゃいけなかったり。その辺を早め早めに用意できたというのは大きかったなと思います。
 
たとえば、ユーザーの購買の意思決定者に刺さるコンテンツとかサポートってなんだろうって考えた時に、コンテンツの数を増やすことより、そのコンテンツをセミオーダーメイドでカリキュラムという形で私たちのサポートメンバーがキュレーションすることにすごい価値があったりとか、実際の受講状況を他者と比較して「御社ってイケてますよね」とか「イケてませんよね」というそういった提案ができるようになるのが重要だったりとか。
 
あとは、他社さんと情報交換するような機会を今作ってるんですけど、そういうのが喜ばれたり刺さるポイントが若干変わるんですよね。 そのあたりの気付きが早めにできたので、そういったコンテンツとかサポートを増やせたというのは振り返ると良かったポイントだと思いますね。
 
気づきが早くできたというのは、PDCAを回すのが早かったという話なのか、それとも別のところに理由があったりするのか。そのあたりはどうですか?
 
冒頭の話に通じますけど、解決すべきペインポイントとか課題っていう部分でそんなに凝り固まってなかったというのが大きかったなと思って。データサイエンスが学びにくいっていう個人の課題を解決するんだって言ってそこをフィックスしてたら、たぶん今みたいな展開になってないと思うんですよね。
 
いかに転職してもらって価値を上げてもらうのかとか、そういうところにフォーカスが向いたと思ってて。僕たちの場合はそこのどういう課題を解決するのかっていうところを柔軟に、より市場が大きそうなところにピボットしていこうっていうのは僕の意思決定のプライオリティとしてもありましたし、メンバーにもそう話してはいたので、解決する課題っていうのをあえて限定しないというのは大きかったですね。
 
大きな可能性を常に探り続けるというマインドセットの部分ですね。
 
そうですね。ちょっとかっこよく言えばそうだと思います(笑)
 
後編へ続く
 
*調査元:ESP総研 調査対象:JDLA E資格認定講座所持企業 8社の提供する個人向けオンライン講座 調査期間:2019年11月下旬~2019年12月23日 調査対象期間:2018年1月〜2019年9月